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とあるアーチャーの銀河鉄道 第四章

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甲板では「非情の魔女」と私を畏怖する船員の声が聞こえていた。
船室に戻って一息ついたとき改めて考えた。
「これで父王は自分を諦めてくれる。」
そういうと自然に涙が流れた。
「ああこれで、私に帰るべき場所はもうないのだな。」
そして声を殺して泣いていた。
私にとっての一筋の希望は「ギリシャ」での生活だった。

しかし、それでさえ裏切られる事となった。「イアンソ」の叔父は彼に王権を返す気がなく、また無理難題を吹っかけてきたのだ。「これもイアンソの為」と思い「冷徹」「冷酷」「非情」な魔女を演じ続け、がんばってきたがもう限界だった。
「イアンソ」の叔父、現王を魔術で殺害してしまった。

私達は隣国「コリント」で静かに生活を営み二人の子供を授かる事ができた。
思えばこの時が一番の幸せだったのかもしれない。

その後「イアンソ」と私の心の距離は離れていった。
やがて「イアンソ」は「コリント」の王女との結婚する事になった。
「これから三人で生きていこうね。」
私は「二人の子供」を抱きしめ涙を流していた。
しかし、この願いも無情に引き裂かれる事になった。
私が留守にしていたときの事だ。
何か胸騒ぎがして家に戻ると、もっとも想像したくない光景を目にするのだった。
死体が二つベットに並べられていた。自分が腹を痛めた子供達に間違いなかった。
私は、怒りに狂いながらも「魔術」でその犯人を割り出しそして、その黒幕を探しだした。
それは、この国で「イアンソ」が王になれば二人の子供も「王位継承権」が与えられる事を恐れた者達の犯行だとわかった。
それを知ったとき私は、「この国の王女」に対する「復讐」という形になった。その怒りの「糸」で「ウェディングドレス」を織り上げ、そして「イアンソ」に送りつけたのだ。
「イアンソ」は私が許してくれたものと思い、そのドレスを王女に着せ「結婚式」を行ったのだ。
そして私の復讐の「呪い」は発動した。
式で王女の着ているドレスが燃え出し全身を炎で覆いつくした。
如何なる「水」でも消す事のできない炎の中、王女は炭になるまで燃やし尽くされた。
「どうしてあんな事をした。」
「イアンソ」が直に私の所に来たがあえて何も言わなかった。
ただ、自分がこんな男と一緒になることを選んでしまったのが間違いなのだから。
だから私は、「竜の引く戦車」に乗りこの世界から旅立つ事にしたのだ。
決して振り返る事ないよう涙を見せないように。


「どうだった。彼女のおくってきた人生は?」
葛木宗一郎はヘルメット状の投影機を外した。
自分はあの後、汽車の様な物に連れて行かれた。
そこで別の男がいた。
「ようこそ、我が屋へ。」
「早速で悪いが頼めるか?」
「わかった。」
そして、椅子とメット状の物を渡された。
「貴方の知りたがっている事をお見せしよう。」
「これは何だ?」
「最新鋭、とはいっても私の世界では最早世代遅れなのだが、立体投影機だ。」
「私は映画を見に来たのではないが?」
「映画は映画でも「彼女の人生」を放映中だ。見て損はないと思うが?」
しばし考えたが、彼女の事を知りたいと思う「欲望」には勝てなかった。
そしてメットを着けたのだ。
「これは本当の事なのか?」
「それは間違いない。わざわざ神話時代まで行って来て撮影したのだから。」
「いろいろ解らない事だらけだな。」
「「魔術師」の「奥さん」を持っているだけでも十分「不思議」だと思わないのか?」
「信用するしないは、貴様に任すよ。」
宗一郎はしばらく考えるとある言葉を口にした。
「それを飲むにはこちらの条件も飲んで欲しいのだが?」
そして、私はヤトと約束を交わした。
そしてもう一人の男は「それなら1時間あれば行ってこられるがどうする?」
「別に構わないだろ。結局奴は「死」の運命しか残っていないのだから。」
ヤトはそう告げた。
そして、汽車は動き出した。古代ギリシャまで。

〜凜の戸惑い〜

放課後の「魔術合戦」で士郎の方はというと凜に止めを刺さなかった。正確にはさせなかったのだ。
そういうのも、簡単「魔力ギレ」になって気絶してしまったのだ。
凜からしてみれば当たり前だ。
いくら「結界」の弱い所を狙ったとしても私の「結界」は容易く壊せるものでは無い。
おまけに、理由はどうあれそれを一揆にぶち破るためとはいえ「上位神の宝具」を使ったのだ。「本当に人間?」と思わざる得ない。
「これで私の勝ち?」
正直、勝った気がしない。
「どうしたものかしら?」
これでは、胸を張って「ヤト」を味方にする事などできない。
このままにしておいても良いのだけども、さすがに気が引ける。
とはいえ、もう保健の先生だって帰っているかもしれないし、余計な事を聞かれるかもしれない。
「しょうがない。」
結局こいつを、学校から家に連れ出す事にした。「不可視」の魔法を周囲にかければ、見つかる事は無いだろうし「筋力強化」で背負う事もできる。
「何してんだろ、あたし。」
一人つぶやくしかなかった。

〜アーチャーの策謀〜

その様子を「ヤト」はしっかりと見ていた。
「ま、修行はこれでよいだろう。後は実践なのだが、もう時間切れのようだ。」
そして「ヤト」は、ばれない様に二人の後を着けることにした。

同じ頃、もう帰ってきておかしくない時間帯にもかかわらず戻ってこない葛木宗一郎を町中に散らばった使い魔をとうし、探していた「キャスター」はこの町からマスターが消えている事に気が付いた。
直に「アサッシン」に探索を命じようとしたが、不穏な魔力がこの柳洞寺に来ていた。
既に「アサッシン」と戦闘しているようであるが、この魔力は尋常でな大きさではかった。
「援護が必要かも。」
そう思い工房を出たときだった。
「ぐあ〜〜〜」
階段に配していた「アサッシン」が参門を破って境内に飛ばされてきた。
咄嗟に「衝撃吸収」の魔法を使い「アサッシン」の体勢を立て直させた。
「すまん」
「いえ、でもこれはいったい?」
強大な魔力量の正体はよぼよぼの老人だった。
しかし、おそらく「禁呪」の類を何重にも使っているのだろう。
その姿と相反して、禍々しい魔力が渦巻いていた。
「そろそろ、わしも「サーバント」が必要になってきたのでな。」
そして、老人の手から巨大な魔力が放たれようとしたとき、漆黒のバイクを駆ける「漆黒のライダースーツ」を着た男が現れ老人の魔力をはね返した。
「大丈夫か。」
その男は、マスター「葛木宗一郎」その人だ。

〜アレイスターの実験〜

「お前の家のほうに、強大な魔力が来ているようだな。」
「ヤトか?」
「いや、だからといってお前の「奥さん」でも無いようだ。」
とっさに駆け出そうとした葛木宗一郎を動けなくした。
「魔力を使わなくても、貴様を動けなくする事は容易い。」
「貴様」

あれからこの世界の時間軸では「一時間」だが正味「三時間」ほど「古代ギリシャ」に二人はいた正確には「古代」ではなく「神代」と言った方がいいかもしれない。
そこで何をしてきたかというと、「彼女をよくも泣かしてくれたな〜。」と「イアンソ」を宗一郎が殴りに行っていたのである。
時間軸や因果にも触る事がなかったのは、既に「死ぬ」以外の運命がなかったからであった。