B.R.C 第一章(2) 奪われた神具
きょとん、と翡翠の目を丸く見開き、かけられる言葉、伸ばされる手を受け入れ、されるがままにされていた日番谷。
「―――おう」
瞬き一つ。その間に状況を呑み込んで、一気に照れ臭くなった。逸らされた瞳とぶっきら棒な声は、精一杯の照れ隠し。数十年と共にあった彼らには、そんな事はお見通しだが、あえて口にはしなかった。
そして、改めて告げられる。
「おかえり」
「おかえりなさい」
返る言葉は一つ。
「―――ただいま」
作品名:B.R.C 第一章(2) 奪われた神具 作家名:百麿万