化け物と祓魔師
六臂の所へ戻ると、そこには数人の祓魔師とハンター達が。
帝人の姿を見るなり、訝しむ表情を見せる。
(そんな顔されましてもね・・・)
帝人は痛みに耐えきれなくなった腕を押さえながら、
六臂の方へと足を向けた。
六臂は六臂で救急班に治療されたのであろう、
包帯がまかれ、絆創膏が張られた姿で立っている。
「六臂、」
「いいからお前も治療受けてきたら?」
帝人が続けようとした言葉は六臂に遮られてしまう。
泣きたいのか笑いたいのか分からない心のまま、
そうですね、と帝人は呟いた。
帝人が治療を受けている間、
他の祓魔師から尋問まがいのような質問はされたものの、
六臂とは決して言葉を交わすことはなかった。
(もう・・・限界なのかもしれない)
傷を負って心が弱くなってしまったのだろうか。
自嘲で漏れた笑いは、帝人の気持ちそのものを表していた。