移り香にご用心
<Side SATO&SOMA>
「佐藤くん酷いよぉ…本当に言っちゃうかと思って、すっごく焦ったんだから!」
「悪かったって…それにしても、匂いってやっぱ移るんだな」
「…本当に?俺、自分じゃわからないんだけど」
「俺にもわからん」
「山田さんの嗅覚恐るべし…それにしても、本当バレるかと思ったよ…。だから止めようって言ったのに…!佐藤くんの変態ッ」
「人聞きの悪い…お前だって、結構ノってたじゃねぇか」
「そッ…そんなこと、ない」
「嘘吐くな。あんなエロい目しやがって」
「は!?し、してないよ!佐藤くん、頭おかしいんじゃないの!?」
「おかしくない。つか、お前から誘ってきたくせに、途中で逃げ出すとか有り得ねぇんだけど」
「だから、誘ってないってば!佐藤くん、妄想も大概にしてよ!今度あんな真似したら、二度と佐藤くんとシないからね…!」
「ちっ…わかったよ」
「何、今舌打ちしたよね?え、意味がわからない」
「とりあえず、今日は泊まり決定な」
「え!?何でそういう事に…」
「中途半端に煽られて、正直今でも抑えんのギリギリなんだよ。…それとも、やっぱり今ここで」
「だからダメー!!さっきの俺の話、聞いてた!?」
「忘れた」
「…もういいよ。どうにでもして…ただし、家に着いてからね」
「了解」