二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
はろ☆どき
はろ☆どき
novelistID. 27279
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

始まりの日

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
燃え盛る赤い焔の中で自分達の家だったものが崩れていく様を、一片たりとも見逃すまいとオレはひたすら凝視していた。
母さんの笑顔だけを記憶に刻み、優しい思い出は全てこの焔に焼き尽くしていく。
近くで幼馴染みが泣き崩れていた。

「もう後戻りできないな」
と隣に立つ弟に呟やきかけると、アルは「うん」とだけ答えた。
家を燃やすことを決めたのはオレの独断だ。
アルは反対しなかった。焼け落ちる家を前に泣き声になったりもしなかったけど、きっと今心の中で泣いている。
泣けない身体にオレがした。だからオレは決して泣いたりなどしてはいけない。

忘れないための儀式はもう済ませた。あいつのくれた銀時計に刻んだ文字が決意の証だ。
これから自分はあの男の元で生きていく。失ったものを取り戻すその日まで。
母さん、あなたを二度死なせて、あなたの思い出を全て消し去って行くオレをどうか許さないで。
罪はオレが一生背負うから。
弟の身体は必ずオレが取り戻すと誓うから。

取り戻せ、全てを。
忘れるな、あの日を。
Don´t forget 3.oct.11―


作品名:始まりの日 作家名:はろ☆どき