こらぼでほすと 拉致7
さあ、始めるよ、と、大明神様の鶴の一声で始まったミッションは、二日の夜には、どうにか目処は立った。後の細かいセッティングやらシステムのマッチングは、キラとアスランの仕事だ。手伝いに、イザークとディアッカは残るが、あとは解散ということになる。シンとレイは、トダカ家へ戻り、ラボもダコスタとハイネが管理する。虎と鷹の夫婦は、そのまんま別荘に滞在するから待機だ。どうせ、四日の午後には集合がかかるので、一々行ったり来たりするのも面倒だからだ。
「マリュー、休みはいつまでなんだ? 」
「一応、六日まで。お正月イベントをやるって言うから有給を付け足したわ。そういえば、刹那くんは? 」
年末には戻ると言われていた黒子猫が、戻っていない。これといって緊急通信も入らないし、刹那がいるであろう地域でも騒ぎはないから、こちらも静観している。
「予定では戻ってるはずだったんだけどな。どっかでひっかかってるらしい。まあ、無茶はしてないと思うんだがなあ。」
二日までは、鷹夫婦がラボの管制室に陣取っていた。その間に通信はなかった。
「そろそろ戻ってきてもおかしくはないんだが・・・」
「セッカク、フェルトと刹那にツーショットがタノシメると思ったのニネ。」
夫婦組四人で、そんな話をしていたら、ダコスタから通信が届いた。どうやら、特区付近までフリーダムは戻って来たらしい。
「ということは、明朝到着か。さて、どうする? 虎さん。」
「どうもしない。ハイネかダコスタに本宅まで運ばせる。その間は、俺が管理するさ。鷹さんとこは引き取ってくれてかまわないぞ。」
どちらの夫婦も三日まで旅行ということになっているので、本宅に顔出しできない。全員がニールに対するアリバイ工作している都合上、本宅へ顔を出せるのも限られてくるのだ。
「どうする? 一度帰るか? マリュー。」
「そうねぇ。これといって用事もないから、こちらに滞在でかまわないわ。ここならホテルに滞在しているのと変らないもの。」
「そうだよなあ。」
家に帰れば、自己責任だが、別荘なら至れり尽くせりの世話をしてもらえる。共働きの鷹夫婦だと、世話してもらえるほうが楽でいい。実際問題として、リゾートホテルに滞在しているのと遜色ないサービスを受けている。
「フリーダムからデータの抽出させて整備のほうも手伝わせるとなると、夕方に移動ってとこだな。なら、黒子猫のほうは任せてもいいか? 鷹さん。」
「ああ、それでいい。それなら、俺たちが旅行から帰ったってことで本宅まで送るよ、虎さん。」
「アイシャも来る? 桃色子猫と黒子猫がダブルで楽しめるわよ? 」
マリューがアイシャも誘う。どちらの夫婦も三日まで旅行ということになっていた。だから、本宅へ一緒に出向いても問題はない。
「行って来い、アイシャ。俺はキラのフォローをしてから合流する。旅行から帰って、ラボのほうに出向いたということにしておいてくれ。」
「リョーカイ、アンディ。」
せっかく子猫二匹と遊べるとアイシャも楽しみにしていたから、そのまま本宅へ移動させる。キラたちのフォローはあるから虎は遠慮する。とはいったものの、休憩に上がってきたダコスタが、そういうことなら虎も移動してくれ、と、言い出した。
「ラボのほうは、俺とハイネで手が足りてます。どうせ、四日は初詣に行くんでしょ? それなら、本宅へ先に移動しておいてください。」
独り者遊撃隊のダコスタとハイネにしてみれば、別に通常業務なら虎に助けてもらうことはない。それより、四日の朝にヘリで行ったり来たりさせられるよりは一度で終ったほうが楽だ。キラたち四人なら一度で送れる。
「おまえ、それだと休みがなくなるぞ? 」
「緊急の要件がなければ、のんびりしてるんだから、休みと変りませんよ、隊長。」
四日の夜に、別荘へ、キラたちは歌姫たちを伴って戻って来る。年少組だけで凧揚げ大会をやって正月らしい遊びを堪能するためだ。それを考えれば、わざわざ街へ出て一日フリーなんてもらっても退屈なだけだ。
「俺たちも、同様に戻って来るから、それから交代しようぜ、虎さん。」
鷹も虎も、こちらに戻って来ることになっているから、それから年少組の遊びにダコスタとハイネも参加すればいい。適当に交代するのが四人となれば時間は取れるから、鷹は、そう提案した。まあ、それでいいならば、と、虎も頷く。
「わかった。そういうことにするか。初詣の警備は、俺たちも参加しておくか。」
「そうだな。ラクス嬢ちゃんのことだから変装はしてくれるだろうが、護衛は多いほうが安全だからな。」
天下の歌姫様が素顔を晒して初詣なんてのは、危険すぎるから、毎年、変装はさせている。
「マリュー、ママのほうは任せるぞ? 」
「了解。うふふふ・・・ニールは可愛いから楽しいわね。途中で抜けてたら、スルーしてちょうだいね? ムウ。」
軍人とはいえ、技術将校のマリューは護衛には向かない。だから、ニールやフェルト、刹那が迷わないようにフォローするほうを担当する。
「抜けられると思うのは浅はかな判断だな。黒子猫と桃色子猫を撒くのは無理だぞ? マリュー。そういう場合は、子猫たちがいない時だ。」
「あら、そうね。今度、デートするわ。アイシャ、ニールのエスコートってどうなの? 」
「スマートよ? それにシタゴゴロがないから、とってもタノシイ。」
「それは楽しそうね。どっかの誰かさんは面倒がってデートしてくれないのよね。」
「ウチにもイルわ。面倒だというヒト。」
女性陣ふたりして、揶揄して亭主に嫌味をぶつけている。亭主ふたりは、おいおい、と、ツッコミだ。今更、デートなんて・・・という気分だ。たまに、ふらりと出かけて食事ぐらいはするが、女房の買い物なんぞ付き合うのは面倒な性質だからだ。
「俺とママを一緒にするな。そういうママゴトはニールが適任だ。」
「そうそう、俺も同感だな。あいつは、ママなんてやってるから、どっか女性的なとこがあるんだよ。」
というか、ニールの場合は日々、家庭的なことをやっているから買い物なんかも慣れている。それに、子猫や年少組の世話から開放されたりするわけだから、ニール自身も気晴らしになっていて面倒ではないというのが実情だろう。
「まあ、話は合うわよ? 日常会話のレベルとしてはね。」
「ソレに、体力的にもネ。」
歩き疲れたという具合が、近いから休憩もとりやすい。さすがに、軍人様とでは、そのタイミングは合わないし、日常の話なら、家庭的なニールとのほうが弾むのも事実だ。
「ありゃ、マリュー。それなら、あっちに乗り換えるか? 」
「バカね、ムウ。その気になってくれないニールじゃ、そんなレベルの話じゃないわ。弟に荷物持ちをさせて連れ歩いている感覚。」
「アタシも、マリューと同じ意見。」
「なるほど、そういうことならママにバイト代を出して頼むとしよう。」
「そういうとこだな。・・・・あいつ、ちょっとは、そういう気にならんもんか? うちのアイシャやマリューなら、あいつの好みにはヒットしてるだろうにな。」
「マリュー、休みはいつまでなんだ? 」
「一応、六日まで。お正月イベントをやるって言うから有給を付け足したわ。そういえば、刹那くんは? 」
年末には戻ると言われていた黒子猫が、戻っていない。これといって緊急通信も入らないし、刹那がいるであろう地域でも騒ぎはないから、こちらも静観している。
「予定では戻ってるはずだったんだけどな。どっかでひっかかってるらしい。まあ、無茶はしてないと思うんだがなあ。」
二日までは、鷹夫婦がラボの管制室に陣取っていた。その間に通信はなかった。
「そろそろ戻ってきてもおかしくはないんだが・・・」
「セッカク、フェルトと刹那にツーショットがタノシメると思ったのニネ。」
夫婦組四人で、そんな話をしていたら、ダコスタから通信が届いた。どうやら、特区付近までフリーダムは戻って来たらしい。
「ということは、明朝到着か。さて、どうする? 虎さん。」
「どうもしない。ハイネかダコスタに本宅まで運ばせる。その間は、俺が管理するさ。鷹さんとこは引き取ってくれてかまわないぞ。」
どちらの夫婦も三日まで旅行ということになっているので、本宅に顔出しできない。全員がニールに対するアリバイ工作している都合上、本宅へ顔を出せるのも限られてくるのだ。
「どうする? 一度帰るか? マリュー。」
「そうねぇ。これといって用事もないから、こちらに滞在でかまわないわ。ここならホテルに滞在しているのと変らないもの。」
「そうだよなあ。」
家に帰れば、自己責任だが、別荘なら至れり尽くせりの世話をしてもらえる。共働きの鷹夫婦だと、世話してもらえるほうが楽でいい。実際問題として、リゾートホテルに滞在しているのと遜色ないサービスを受けている。
「フリーダムからデータの抽出させて整備のほうも手伝わせるとなると、夕方に移動ってとこだな。なら、黒子猫のほうは任せてもいいか? 鷹さん。」
「ああ、それでいい。それなら、俺たちが旅行から帰ったってことで本宅まで送るよ、虎さん。」
「アイシャも来る? 桃色子猫と黒子猫がダブルで楽しめるわよ? 」
マリューがアイシャも誘う。どちらの夫婦も三日まで旅行ということになっていた。だから、本宅へ一緒に出向いても問題はない。
「行って来い、アイシャ。俺はキラのフォローをしてから合流する。旅行から帰って、ラボのほうに出向いたということにしておいてくれ。」
「リョーカイ、アンディ。」
せっかく子猫二匹と遊べるとアイシャも楽しみにしていたから、そのまま本宅へ移動させる。キラたちのフォローはあるから虎は遠慮する。とはいったものの、休憩に上がってきたダコスタが、そういうことなら虎も移動してくれ、と、言い出した。
「ラボのほうは、俺とハイネで手が足りてます。どうせ、四日は初詣に行くんでしょ? それなら、本宅へ先に移動しておいてください。」
独り者遊撃隊のダコスタとハイネにしてみれば、別に通常業務なら虎に助けてもらうことはない。それより、四日の朝にヘリで行ったり来たりさせられるよりは一度で終ったほうが楽だ。キラたち四人なら一度で送れる。
「おまえ、それだと休みがなくなるぞ? 」
「緊急の要件がなければ、のんびりしてるんだから、休みと変りませんよ、隊長。」
四日の夜に、別荘へ、キラたちは歌姫たちを伴って戻って来る。年少組だけで凧揚げ大会をやって正月らしい遊びを堪能するためだ。それを考えれば、わざわざ街へ出て一日フリーなんてもらっても退屈なだけだ。
「俺たちも、同様に戻って来るから、それから交代しようぜ、虎さん。」
鷹も虎も、こちらに戻って来ることになっているから、それから年少組の遊びにダコスタとハイネも参加すればいい。適当に交代するのが四人となれば時間は取れるから、鷹は、そう提案した。まあ、それでいいならば、と、虎も頷く。
「わかった。そういうことにするか。初詣の警備は、俺たちも参加しておくか。」
「そうだな。ラクス嬢ちゃんのことだから変装はしてくれるだろうが、護衛は多いほうが安全だからな。」
天下の歌姫様が素顔を晒して初詣なんてのは、危険すぎるから、毎年、変装はさせている。
「マリュー、ママのほうは任せるぞ? 」
「了解。うふふふ・・・ニールは可愛いから楽しいわね。途中で抜けてたら、スルーしてちょうだいね? ムウ。」
軍人とはいえ、技術将校のマリューは護衛には向かない。だから、ニールやフェルト、刹那が迷わないようにフォローするほうを担当する。
「抜けられると思うのは浅はかな判断だな。黒子猫と桃色子猫を撒くのは無理だぞ? マリュー。そういう場合は、子猫たちがいない時だ。」
「あら、そうね。今度、デートするわ。アイシャ、ニールのエスコートってどうなの? 」
「スマートよ? それにシタゴゴロがないから、とってもタノシイ。」
「それは楽しそうね。どっかの誰かさんは面倒がってデートしてくれないのよね。」
「ウチにもイルわ。面倒だというヒト。」
女性陣ふたりして、揶揄して亭主に嫌味をぶつけている。亭主ふたりは、おいおい、と、ツッコミだ。今更、デートなんて・・・という気分だ。たまに、ふらりと出かけて食事ぐらいはするが、女房の買い物なんぞ付き合うのは面倒な性質だからだ。
「俺とママを一緒にするな。そういうママゴトはニールが適任だ。」
「そうそう、俺も同感だな。あいつは、ママなんてやってるから、どっか女性的なとこがあるんだよ。」
というか、ニールの場合は日々、家庭的なことをやっているから買い物なんかも慣れている。それに、子猫や年少組の世話から開放されたりするわけだから、ニール自身も気晴らしになっていて面倒ではないというのが実情だろう。
「まあ、話は合うわよ? 日常会話のレベルとしてはね。」
「ソレに、体力的にもネ。」
歩き疲れたという具合が、近いから休憩もとりやすい。さすがに、軍人様とでは、そのタイミングは合わないし、日常の話なら、家庭的なニールとのほうが弾むのも事実だ。
「ありゃ、マリュー。それなら、あっちに乗り換えるか? 」
「バカね、ムウ。その気になってくれないニールじゃ、そんなレベルの話じゃないわ。弟に荷物持ちをさせて連れ歩いている感覚。」
「アタシも、マリューと同じ意見。」
「なるほど、そういうことならママにバイト代を出して頼むとしよう。」
「そういうとこだな。・・・・あいつ、ちょっとは、そういう気にならんもんか? うちのアイシャやマリューなら、あいつの好みにはヒットしてるだろうにな。」
作品名:こらぼでほすと 拉致7 作家名:篠義