二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

【シンジャ】秘蜜の時間【SPARK】

INDEX|5ページ/5ページ|

前のページ
 

 シンドバッドの口振りと態度は、服が出来上がるのを自分が楽しみにしている事に気が付いている物であった。それに対して返事をする事は出来無かったのだが、シンドバッドは不満そうな様子へとなる事は無かった。それどころか、楽しそうな様子のままであった。
 恥ずかしさから落ち着かない気持ちへとなっていた時、彼に訊いておきたい事が出来た。それを訊く事が出来そうな雰囲気であったので、それを彼に訊く事にした。
「私にこんな趣味があるという事に気が付いた時、どう思ったんですか?」
「そうだな……」
 真剣に悩む様子へとなったシンドバッドの答えを固唾を飲んで待った。
「真面目なお前にまさかそんな趣味があるとは思って無かったって思った後、だから私服を誂えろと言ってるのに私服を誂えようとしなかったのかという事を思ったな」
「先程こんな趣味がある私の事を軽蔑していないとおっしゃりましたが、何故軽蔑しなかったんですか?」
「難しい事を訊いて来るな」
 そう言ったシンドバッドの顔には苦笑が浮かんでいた。
「普通、こんな趣味がある事を知ったら軽蔑すると思うんですが」
「軽蔑して欲しかったのか?」
「まさか!」
 軽蔑して欲しい筈など無かったので、反射的にそう言っていた。
「理由など無い。そんな感情が沸いて来なかっただけだ。これで納得してくれたか?」
 シンドバッドの答えは納得できるものでは無かったが、これ以上この話しを続けても無意味である事が分かっていたので、この話しをここで終わらせる事にした。
「……はい。では、そろそろ部屋に戻ろうと思います」
「この間頼んだ服と一緒に今日頼んだ服を持って来て貰う事になっているから、この間頼んだ服と一緒に今頼んだ服をここに取りに来てくれ」
 ここに服を取りに来させる事にシンドバッドがしたのは、今頼んだ服を他の人間に見られることが無いようにという気遣いからなのだろう。
「分かりました。では、おやすみなさいませ」
 シンドバッドの気遣いに感謝しながら胸の前で両手を組み、頭を彼に向かって下げる。
「ああ、おやすみ」
 その言葉を聞きシンドバッドの部屋を離れ、同じ建物の中にある自室へと戻った。
 部屋で過ごすのは眠る時ぐらいである為、必要最低限の物しか無い部屋の中へと入ると、急に誘惑に負け女物の服を頼んだ事を後悔する気持ちが沸き上がって来た。しかし、官服から部屋着に着替え終える頃にはそんな気持ちは薄れ、頼んだ服の仕上がりを想像して胸を弾ませていた。
 繊細な刺繍が施されている布で出来た服。
 裾に金色のコインが付いたヒップスカーフ。
 自分を魅了するそれらが、もう直ぐ手に入るのだ。
 女物の服を着てみたいという欲求を自分が持っている事は知っていたが、その欲求は自分が思っていたよりも強いものであったようだ。

(本編に続く)