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ルック・湊(ルク主)

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騎士



グリンヒルから戻ってきたのち、次に向かったのはマチルダ騎士団領であった。
マチルダ騎士団との同盟を結ぶためマチルダに向かう。国境ではマチルダ騎士団青騎士団長マイクロトフが青騎士団とともに迎えに来てくれていた。
それでてっきり快く受けてもらえるものと思いきやすべての騎士団長であるゴルドーはしょっぱなから暴言を吐き、同盟軍へ助力する様子をいっさい見せなかった。
結局強制的に退室させられ、仕方なく赤騎士団長であるカミューに客室へ案内され、その日は泊まった。

「マイクロトフさんとカミューさんはあんなにものすごくかっこいいのに、騎士団長のゴルドーって人、最低よねっ。」

一緒に眠ったナナミがそう言って憤っていた。

「あはは、ナナミはあの2人の見た目が気に入ったんだ。でもうん、2人ともかっこいいよね。・・・あーあ、同盟は、ダメなのかな・・・。」

そう言いつつ、湊は眠りに陥った。
翌日。

「ねえねえルック。」
「ん?何。」
「昨日さー夜中に僕、夜這いにあったよ。」
「っは!?」

ルックは目を白黒させた。

「眠ってたらね、いきなり、えーと、レックナート様だっけ?ルックのお師匠様の。彼女がね、現れたの。」
「ちょ、それ、夜這い違う・・・。」

しかし何しに・・・?とルックは訝しんだ。

「なんかね、これから大変になるけど多くの想い?が集まってるから目をそむけずに頑張るよう言ってきたよ?ごめん、ルックのお師匠様なのに、何言ってるのかあんま分からなかった・・・。」
「・・・。」
「あとね、なんか分からないけど、ルックの事でありがとうって言われた。なんだろう?」

グッ、と息が詰まった。今もしお茶でも飲んでたら、盛大すぎる勢いで噴き出していただろう。
レックナート様っ!!ちょ、あんた何言ってくれてんだっ。てゆうかなんでバレてんだ!?
なんだと思う?と目をくりくりさせながら聞いてくる湊に対しては、“知らない”とそっけなく答えておいた。

と、その時、騎士団に伝令がやってきた。
どうやらマチルダとミューズの国境に、王国軍が現れた様子。騎士団領へと逃げてくる流民を追いかけてきたようなのである。
マイクロトフが、ミューズの流民を保護すべく、軍を出すべきだ、とゴルドーに進言した。ゴルドーは気が進まない様子であったが、マイクロトフは出軍した。湊達もその戦いに参加する。
だが。
マイクロトフがいくらゴルドーに出陣命令を出すよう伝えても、ゴルドーは待機を命じたまま。どうやら国境外で起きている事に関して手を出すつもりがなく、流民を助ける気がないようなのである。
騎士の忠誠が邪魔をして、マイクロトフは命令にそむけず、出陣出来ない。結局流民は捕らえられミューズ市に連行されていった。マチルダ騎士団は、王国軍が去ると同時に、自国、ロックアックスへと撤収した。
そんな流れを湊は苦々しく見ていた。本当は自分だけでも流民を助けに行きたかった。だがここはマチルダ領。同盟軍の長としてやってきている自分が勝手な事をするわけにいかず、いらだたしい思いでいっぱいだった。
同じくマイクロトフもいてもたってもいられない様子で、自ら単身でミューズ市に向かおうと出ていった様子であった。
湊達はそんなマイクロトフを追いかけ、ミューズ市の関所で追いついた。
関所ではどうやってくぐりぬけようか、と思っていたが、関所の騎士が言った。

「どうぞ、お通り下さい。ただ、カミュー様からの伝言です。」
「!」
「『無理はするな』との事です。秘密の任務なのですね。お気をつけて・・・。」

後ろでナナミが“やっぱりカミュー様かっこいいっ”とかなんとか言っている。どうやらカミューが手をまわしてくれていたらしく、難なく関所は通りぬけられた。
青のマイクロトフさんが熱い正義感な人で、赤のカミューさんがクールな紳士、てとこだね、と湊もニコニコとナナミに言っているのを、ルックはおもしろくなさげに見る。
そうして、一同はミューズ市に到達した。
そこで皆はとんでもないものを見る。ミューズ市から正体不明の光の束が飛び出し、空に舞い上がったかと思うとしだいに獣の姿へと形を変えていったのである。

「な、何アレ・・・気持ち悪い・・・。」

ナナミが呟いた。とりあえず急いで市内へと入る。すると人の気配がしない。どんどん中へ入り、ジョウストンの丘へ向かおうとすると、一人の住民らしき男と出会った。
その男は、ミューズの市民達はすべて銀色の獣の化け物への生贄にされてしまった、喰いつくされてしまった、と伝えると息を引き取った。
その時、後を追ってきた王国軍が湊らを捕らえようとしてきたため、戦いつつ、仕方なくロックアックスまで逃げかえる羽目になった。
マイクロトフは憤り、ミューズで起こった異変や市民の恐るべき虐殺を、正式な場でゴルドーに伝えた。
だが、ゴルドーはこれをも、黙殺し、なおも反論しようとしてきたマイクロトフに言った。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ