ルック・湊(ルク主)
「きさまは騎士団の長であるこのわしに、その胸のエンブレムにかけて、忠誠の誓いを立てたのではなかったのか?誓いを破るのが、『騎士の誇り』か?」
「っく・・・。俺は・・・このエンブレムにかけて誓いをたてた・・・確かにこれは俺の『騎士の誇り』だ・・・。」
「そうであろう。わかったのならとっとと下がれ!めざわりだ。」
「誓いを破るのは・・・忠誠の誓いを破るのは騎士としての最大の恥辱・・・・・・・だが・・・・・・俺は・・・俺は・・・・・・俺は!俺は騎士である前に人間だ!!騎士の名など、いらない!!恥辱にまみれるのも、甘んじて受ける!だが。奴らをゆるすことなど出来ない!!命がムダに費やされるのを見過ごす事など、出来ない!!]
そう叫ぶと、マイクロトフは胸のエンブレムを引きちぎって床に落とした。
「き、きさまぁ!!誓いを破ると言うのかぁぁ!!」
顔を真っ赤にして怒りあらわにしているゴルドー。その時、カミューが入ってきた。
「マイクロトフ、しょうのない奴だな。ちょっとは頭を冷やせ。」
「良いところに来た、カミュー。その男を捕らえろ!!牢にぶちこんでくれるわっ。」
ゴルドーが言うと、カミューは顔をゴルドーに向けた。
「マイクロトフを捕らえる?それは出来ませんね。」
うすら笑いを浮かべると、カミューも胸からエンブレムをとり、床に落とした。そしてまたゴルドーに向き直る。
「これで私も反逆騎士です。あなたの命に従う理由はありません。」
「カミュー・・・」
呟いたマイクロトフに微笑みかけると、カミューは湊のほうを向いた。
「湊様。私とマイクロトフの2名、同盟軍の末席にお加えください。騎士の名はなくとも、われらには剣の技と心があります。必ずや、あなたの力になりましょう。」
「え・・・」
「き、きさまらぁ、何を言っておるっ。おいっ、こいつら全員を捕らえよっ。ほら、何をしておるっ、早くしろっ。」
だが両側にずらりと立っていた青と赤の騎士団の者達は動かず。そうしてその中の一人が、私をもご一緒させて下さい、とエンブレムをはずすと、我も我も、と皆がはずしていった。
部屋は金属が落ちる音で満ちていた。
とりあえず逃げるようにロックアックスを去る。他にもこちらへ来る騎士がいるかもしれないから、と一旦は先に湊やマイクロトフを行かせていたカミューも追いついた。
湊は赤と青の2人に挟まれて話しかけられ、なんだか緊張しながらも頬を赤くして嬉しそうだ、とルックは面白くなさげにその様子を見ていた。
その後、湊はグリンヒルの森に迎えに来ていたシュウらとともにイケメン赤青プラス大勢の騎士団員をお持ち帰りでご帰還なされやがりました、byルック
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ