ルック・湊(ルク主)
「さっきはマクドールさんとシーナとで何話してたの?」
ルックがしばらくは湊の部屋に泊まる、と言うと、湊は凄く喜んでこぼれんばかりの笑みを見せた。
こんな笑顔を見るのは自分だけでありたい、などとルックが内心思いながら、湊と一緒に部屋に向かっている時に湊が聞いてきた。
特に問題が発生している訳でもない為、わざわざ説明して湊を不安がらせる事もないか、とルックは思った。
「いや、別に。ほら、はしゃいでないで、ちゃんと前、見て歩きな・・・」
言いかけた時に既に湊は誰かにぶつかっていた。まったく。
「あ、ごめんなさい。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
「あ、お花屋さん。いつも、綺麗なお花、ありがとうね!」
「いえ。ではお気をつけて。」
ぶつかった拍子にバランスを崩した湊を、その花屋と呼ばれた男は慌てて支えてくれた。
そしてニッコリと笑って去って行った。
「・・・誰。」
「え?ああ、お花屋さんだよ!綺麗な花を売ってるんだよー、珍しい花とかも!たまぁにさ、僕も買ってるんだー。」
そうやってどんどん色んな店の者と知り合いになるの、やめてもらえないかな・・・。ルックはひそかにそう思った。
「ほんと、色々、気をつけるんだよ。」
「うんー、ほんとどうしたの?ルック?今日はそればっかだったね。」
湊の部屋に入り、その後2人で眠ってもあまり余るくらい大きなベッドの上でルックがまた繰り返した。
「いいから。分かった?」
「分かってるってばー。ルック変だよーうるさい。」
「・・・へえ、そんな口、僕にきくんだ?」
ルックはそう言って妖しげに笑い、手を伸ばして湊をひきよせ、その口をキスでふさいだ。
「っん・・・ルック・・・そ、外には見張りの人が・・・」
「ふぅん。じゃあ、がんばって、その口、閉じてるんだね。」
赤くなってあせったように言う湊に、ルックは楽しそうに答えながら湊をふかふかのマットにしずめた。
作品名:ルック・湊(ルク主) 作家名:かなみ