とある人の(非)日常?[前編]
「やぁ、偶然だね帝人君」
「ぁ、臨也さん」
「どうしたの、一人?」
「はい、そうですが…」
偶々、散歩に出てきた帝人
なので、回りに誰もいないのは当然である
「えっと、臨也さんは、どうして池袋に?また静雄さんに追い掛けられますよ?」
ちょっとした親切心からの言葉だろう
だが、平和島静雄の名前を出したのは
失敗だった…
「シズちゃんの名前出さないでくれる?吐き気がするから、本当に早く死んでくれないかな」
ずっと、浮かべていた人の良さそうな笑顔が消え去り
怒りと嫌悪感のない交ぜになった顔をしている
しかし、それも一分も掛からずなくなり
また、笑顔に戻り
「まぁ、帝人に会えたから良いや」
爆弾を落とした
「え!?ぼ、僕ですか?」
何を想像したのか
青くなった帝人の顔で
不発に終わったが
「(其処ら辺の女の子なら、これで落ちるか顔が赤くなるのに、手強いな…)うん、どお、学校の方は?上手く行ってる?」
「はい、大丈夫です。正臣や園原さんも居て、楽しく過ごせてます。」
「そう、それは良かったね」
「はい、臨也さんのぉぁ!!い、いいい臨也さん!?」
作品名:とある人の(非)日常?[前編] 作家名:里緒