こ っ ち 見 ろ
おまけ
やっぱりというか、なんというか、一番最初に俺を見つけて追ってきたヒーローは、お前だった。
相変わらず話を聞かないで、何故か俺の事を覚えていなくって、お前と対峙した俺は、お前の攻撃対象となった俺は、戦慄する。
灰色に塗りつぶされた摩天楼を、お前に背を向けて、ワイヤーを駆使して逃げる、逃げる、逃げる。
なのに心は、その鋼鉄のマスクに向かって、その向こうのお前向かって泣き喚くみたいに怒鳴ってるんだ。
どこ見てんだよ。
こっち向けよ。
俺を見ろよ、ヒーロー。
[ こ っ ち 見 ろ ]