銀魂集(一般)
飲んでもらいたいもの(銀土)
「なぁにしてやがんだぁ?万事屋」
珍しく銀時の家に行ってみれば、銀時は何やら思案顔でコップを見つめていた。
ていうか、いつもこいつ、いちご牛乳飲む時ってそのまま紙パックで飲んでなかったか?
わざわざコップに入れるとは珍しい、そして何じっと見つめてるんだろう?
土方が話かけると、銀時はぼんやりしたまま、コップを机に置いた。
「ん・・・?ああ、いや、ちょっと考え事を。て、珍しいな鬼の副長さんがわざわざこんなところまで。て、まさかの逮捕とかじゃないよね?今更俺が白夜叉だったからって、それはないよね?」
「なんだよ、俺がここ来ちゃおかしいってのか?逮捕して欲しいならしてやってもいいが?」
「いらねぇ。あ、そうゆうプレーなら俺、歓迎するよ?是非してくれっ。」
刹那、抜刀する土方。
危なげもなく、銀時は座ったまま真剣白刃取りで受けた。
「なにしやがる。」
「それはこっちの台詞だ!なんでそっちに行きやがる。きめぇんだよテメェ」
「あらあら、照れ隠しにはちょっと激しくねぇか?」
「照れてんじゃねぇ!どん引きしてんだよ!」
呆れたように刀をもどし、鞘に収めつつ、土方は言った。
気を取り直すように咥えていたタバコに手をやる。
「またまたぁ。俺たちそんな仲じゃない、今更。」
「う、うるせぇ!!」
ニヤリと笑った銀時に対し、土方はそっぽを向いた。
・・・あちら向こうが、耳、見えてますよー茹でたような耳が、な。
銀時は頬杖をつきながらニヤニヤと土方を見ていた。
「・・・で、何考え事って。お前が考え事とか、珍しいじゃねえか。」
気を取り直したように土方が聞く。
なんだってんだ、ちょっと心配じゃねぇか・・・。
「ん?ああ。いや、ね?そういや飲んでくんねぇなーとか思っててね。」
銀時はまたコップに手をやりながらそう答えた。
「は?それを、か?んな甘ったるいもん、いるかよ。そんな事考える為にわざわざコップに移してたのかよ?相変わらず分かんねぇ奴だな。」
「あ?いや、別にこれは・・・つかこれは俺だけの楽しみでいいんだよ。」
「?だったら何だよ。」
土方は意味が分からず首をかしげた。
銀時はコップに入ったいちご牛乳を一気に飲むと、あー、と土方を見る。
「俺はいつだって大歓迎で飲むんだけどね?いやーいつかマジ、飲んで欲しいもんだわ。」
「は?だから、何だよ!?」
「なんつーか、ある意味、ミルク?」
「???・・・・・・・・、・・・・・!!」
・・・・・・・
「ちょ、部屋、壊れる、そして銀さんも壊れる!!刀、ふりまわすなっ!!」
「いっそ壊れちまえよ!!このド変態があァァァァ!!!!!!」