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エゴイスト達のシグナル 1

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神様は本当に残酷だよ。
あんな綺麗な天使を、見せるだけ俺に見せびらかして夢中にさせておいて、清らかで美しいまま天に召してしまうなんて。
なぁ、カズ、疾斗、俺は一体どうしたらいい?
彼女を失ってもう七年経つけど、……あんなに愛しい少女以上の女性とは、俺は未だに巡り合えない……」


極限状態で生まれ、ひっそりと育まれた恋。
終焉も美しく悲しすぎた。


「……俺はもう、二度と彼女以上に女性を愛する事はないだろう。もしも、神様と言う存在が本当にいて、奇跡をたった一度だけ起こしてくれるのなら……、アンジェにもう一度会って、俺は、ただ……心臓の欠陥もひっくるめて、そのままの綺麗な君を丸ごと愛していると伝えたい。遠慮なんかする事なかったって。君は馬鹿で愚かで愛しくて……それでもずっと愛しているって……伝えたいんだ……」

ほろほろと涙が流れてくる。
静まり返った店内にて、優しい仲間達は、留依の涙が尽きるまで一人で泣かせてくれた


★☆★☆★


初恋の想い出とは、本当に美しい。
そして、脳内で捏造されまくりの、感動のドラマに仕上がっていた。

彼はいまだ知らない。

アンジェが段々とやせ細り、倒れて病院に担ぎ込まれる羽目になったのは、トゥーリに付きまとわれ過ぎて、精神を病んだからで。

自分を『アンジェが死んだ』と嵌めた者が、アンジェの兄ミゲールだけでなく、彼女の父、自分の父兄、そして誰より何よりも愛しいアンジェ自身だった事も。

彼は全く気がついていなかった。