二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

那月の気持ち

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
……遠くで那月の声が聞こえる…?

「翔ちゃぁーん!翔ちゃん?どこですかぁ―??」

はあ?何言ってんだあいつ。俺はここにいるじゃねぇかよ。同じ部屋の中に!!
しかもさっき起きたばっかでどっか行くわけけねーだろ。

「おい那月。ここにいるだろ。」

って言おうとしたけど…あれ?声…でなくね?
ってか、いつもより視点低くね?(『いつも以上に』じゃなくて? Byレン)
よく考えたら、俺那月のベッドの上にいるし…
もしかして…もしかして

俺…那月のお人形さんになっちゃった!?
しかも、よりによってピヨちゃん…

「翔ちゃん!!かくれんぼのつもりですか??難しすぎるから早く出てきてください!!今日は一緒に出かけるんじゃないんですか?」

はぁ…。

「ん?いま、ピヨちゃんため息つきました?」

え…?やば…

「気のせいかな?そうですよね。お人形さんが動くわけない…。外も探してこようかな?」

ほっ…。気付かれなかったか…。
それより、体は自由に動くらしい…。
那月が出かけている間に俺も出てみることにした。

「とりあえず…トキヤか…」

あいつなら冷静に対処してくれそうだし。
ん?でも待てよ?俺普通に歩いたらあやしくね?
ひとまず廊下の様子を見よう。

「あっ!トキヤ!!」

ちょうど通りかかったトキヤに手をぶんぶん振ると2度見された。
そして、何かを怪しむような顔をして俺を抱きあげた。

「人形が動いた…?」

そらそうなるわな。俺はコクコクとうなずき、肯定した。

「?あなたは誰ですか?」

そんなこと聞かれても…

「とりあえず私の部屋へ。これでは私が変な人です。」

ま、まあ、そうだな。一人で人形に話しかけてんだから…

〈inトキヤ&音也’s room〉
「で、どなたですか?」

幸い、一番騒ぎそうな音也はいなかった。
俺は、顔の右側にピンを打つしぐさと帽子をかぶるしぐさで俺を表した。

「…翔…?」

さっすがトキヤ!!
またコクコクとうなずき肯定した。

「なぜこんな姿に…」

首をかしげて「わかんない…」のジェスチャーをした後、「紙とペンをくれ」のジェスチャーをした。

「紙とペン…ですか。ちょっと待ってて下さい」

そう言ってトキヤは、メモ帳とボールペンを持って戻ってきた。

「どうぞ。」

これからは紙に書いて話すことにした。

『ありがとう。わりいな。』
「いえ。で、どうしてそんな姿に?」
『俺もわかんねぇ。朝起きたらこうなってた。』
「那月は…」
『あいつ、俺のこと必死に探してる。』
「そうですか…。それで、このことを知っているのは…」
『トキヤだけ。他の奴ら騒ぎそうだろ?』
「ふふっ、たしかに」
『で、どうしたらいいと思う?』
「うーん…原因がわからないならどうしようもないんですが…。心当たりはないんですか?」
『心当たり…』
「那月の料理を食べたとか。」
『あ…それかもな…。昨日、クッキー食わされた…』
「それですね。完璧。」
『どーやったらなおんだ?まさか…あの物体がう○ことして俺の体から出て行くまで…』
「下品ですよ、翔」
『あ、ごめんごめん』

「翔ちゃぁーん!!」

那月っ!?ってうわぁ!
トキヤの服の中に隠された。

「なんですか?那月」
「トキヤ君!翔ちゃんいませんか?」
「いませんよ?」
「おかしいなぁ…。今日は一緒にお出かけしようねって言ってたのに…」
「見つけたら声を掛けておきます。」
「ありがとうございます。よろしくね!!」
「はい」

「翔ちゃーん」と叫びながらバタバタと出ていく那月をトキヤの陰からそっと見送る。

「なんです?那月と居れなくて寂しいんですか?」
『は!?ありえねー』
「ふふ、意地張っちゃって」
『はってねーよ!!』
「とりあえず、今日は戻って様子見たらどうですか?」
『そうするわ。悪かったな。時間とらせて。』
「いえ。大丈夫ですよ。」
『ついでと言っちゃぁなんだけど、部屋まで連れてってくんね?』
「わかりました。いいですよ。」
『さんきゅ』

〈in 翔&那月’s room〉
部屋に着くともう那月が戻っていた。

「あれ?トキヤ君?どうしましたか?」
「いえ、那月が大切にしているピヨちゃんがなぜか私の部屋に…」
「え!本当?ありがとう!!」
「どういたしまして」

俺を那月に手渡す瞬間「では」と言ってトキヤは帰って行った。

「ピヨちゃんがいなくなってるのに気付かないくらい夢中で翔ちゃんを探してました…」

バカじゃねーの…

「翔ちゃん…ほんと…どこ行っちゃったんでしょう…。ピヨちゃん、ちょっと僕とお話しませんか?」

そういうと、俺を抱きしめたまま那月はベッドに寝転がった。

「僕は翔ちゃんのこと大好きなんですけどね…」

いつも聞いてるっつーの。

「翔ちゃんは絶対に気付いてくれないんです。」

気付くって何にだよ。

「僕、小さいころから翔ちゃんが大好きでした。ちっちゃくて、かわいい翔ちゃんが…」

むかつく…殴りたくなってきたぁぁぁぁああ!!!

「ずっと昔から言ってます。でも、最近、ちっちゃくてかわいいだけじゃなくてどうしても翔ちゃんが好きな時があります。そういう時は、どこが好きかってわかんないんです。」

は?

「ずーっと『大好き』って言い続けてきました。でも、最近の好きは違うんです。それに気付いてないんです…。」

どうゆうことだ?

「僕は、翔ちゃんへの自分の気持ちに気付いたから…『大好きだよ』って伝えてます…っ。」

那月泣いてる…?

「でも…でも、いっつも『うるせー!』とか『やめろ!』って嫌がられちゃう…んですよね…。」

だってそれは

「だから、どうやったら伝わるんだろうっていっつも考えてるんですよ…?でも、いつもたどりつくのはまっすぐに想ってることを伝えるっていうことなんです…」

俺が小さくてかわいいから言ってると思って…

「まあ、いつも空回ってただ翔ちゃんに迷惑かけちゃってるだけなんですけどね…」

そう言って苦笑した那月はさらに強く俺を抱きしめた。
ものすごい力のはずなのに、全く痛くなくてあったかくなった。

「翔ちゃん…大好きです…。ずっと僕のそばにいてほしいです…。ごめんなさい、ピヨちゃん。少しの間、僕のこと見ないでください…。泣いてるの…見られたらかっこ悪いですから…」

涙つめてーし…

あー…、やっぱむかつく。
人が認めたくなかったこと…こいつはこんなにさらっと言いやがるし…
那月に可愛いって言われるのは嫌じゃなかった。
ただ、それを認めたら絶対に感情が爆発してしまうと思ったから自分の気持ちに蓋をしてごまかしてきたのに…

俺の姿が戻ったら一番に俺の気持ちを伝えよう。
そう決意した時…

ボムッ

「うわあ!」
「うおっ!」

さっきまで窮屈だったからだが楽になった気がする。
もしかして、戻っ…た?

「し、翔ちゃん…?あれ、さっきまではここにピヨちゃんがいて…?どうして翔ちゃんが…?
っていうか!さっきの聞かれ…ウグッ」

たまらず、那月に抱きついた。

「しょ…ちゃ…く、苦しい…」
「うるせぇ!!ちょっと黙れ!!」
「は、ハイ!!」
作品名:那月の気持ち 作家名:のん