突然の
幸村が変態
夕食を同じ学校の友人と済ませ、一度部屋に戻ってきてみれば、この事態。
「ああ、白石くん。おかえりなさい」
「お、おう……」
あかん、まずいモン見てしまったパターンや……。
目の前で起こっていることが信じられず、白石は呆然と立ち尽くしていた。
不二のベッドの上、おいてあったパジャマに顔を埋めて匂いを嗅いでいる幸村がいたのだ。
「ええと、なんか、ええ匂いでもすんの……?」
この状況でこの問い掛けが合っているかすらわからない状況だったとしても、白石はこの言葉を発するだけで持ち合わせていた精神力をすべて注ぎ込んでいた。
一度、白石の問いかけに答えるためか、幸村はパジャマから顔を離し、静かに言い放つ。
「当然だよ、不二くんの匂いがするんだよ! 特にパジャマなんて寝汗がしみこんでいるわけで」
「へぇ……そうなんや…………」
スー、ハー。
深く匂いを吸い込み、余計な息を吐き出すことを繰り返す幸村。それに対し、なすすべもなく立ち尽くす白石。
あかん、なにしてええんかわからん。けど、不二くんが帰ってくるまでに何とか片付けんと……!
「あの、幸村く……」
「ただいまー」
あかん、不二くん、このタイミングはあかん……!
幸村の行動、白石の決意、それぞれを知らずに不二が部屋に戻ってきた。
「白石くん? どうかした……?」
背の低い不二が立ちふさがっている白石の横から、ひょっこりと部屋の中を覗き込んだ。そして、不二が固まった。
白石は土下座するくらいの勢いで、心の中だけで謝る。
ごめん、不二くん。止められんくてごめん。
「ああ、おかえり不二くん。少しパジャマを借りているよ」
爽やかに言い放つ幸村に、白石は思わず目を逸らす。変わりに、不二を見ると恐ろしいほど、清々しい笑顔を顔に貼り付けている。
「……幸村くんは、ヘアバンドを燃やされるのと、この光景を写真に撮られて学校中にバラ撒かれるの、どっちが良い?」
叫びたい衝動に駆られる白石は、この日以来、部屋替えが行われるまで胃薬を飲むことになった。
ギャグ難しいです。
変態をうまく書けませんorz
そして、書いてて幸村気持ち悪いとなりました。
不二版も考えていたんですが、私の精神力が持ちませんでした。
幸村好きな方、すみませんでした。