しーど まぐのりあ2
「なぁーんで、そこで拗ねるかなあ。俺、ディアッカは守備範囲外。むしろ、勘弁してぐらいのところだって、いつも言ってるのに。」
ぎゃんぎゃんと、三人で喚いていては、倒れたものだって目が覚める。騒々しさに目を開けたら、なんだかものすごい賑やかだったので、キラはのそのそと起き上がった。見慣れない宵闇色の髪がある。お客様なんだろうと、寝台から降りた途端に、その宵闇の髪のお客様は振り向いた。
「やあ、キラ。マイスゥイートハニー。」
きれいな笑顔で、そう手を差し出されて、はい? と、キラが首を傾げていると、自分の主人が、ゲインと、その人物を蹴りあげた。
「キラっっ。」
「はっはいっっ。すっすいません、すぐに、仕事を。」
「するなっっ。おまえは、しばらく、ここで寝ていろ。それ以外のことは禁止だっっ。」
「えっ? 」
「主人の命令がきけないのかっっ? 」
「いえ、でも。」
「ここで寝ていろ。掃除も庭仕事も全部禁止だっっ。破ったら、ベッドに縛り付けるぞっっ。」
「イザークっっ、俺の決め台詞の邪魔をするなっっ。」
「うるさいっっ、このバカっっ。おまえはさっさと、俺の言ったことをやってこいっっ。口説くのは、それからだっっ。」
もう一度、抗議するアスランを蹴り、仲裁に入ったディアッカにも、蹴りをいれ、イザークはふたりの耳を引っ張ると連れ出した。バタンと乱暴に扉を閉じて、鍵をかける。呆然と見送ったキラのほうは、へなへなと、床に座り込み。あれはなんだろう?と考えている。
作品名:しーど まぐのりあ2 作家名:篠義