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僕の可愛い人ですから

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「アタシは荷物じゃねーぞ」
担ぎあげられて、シュラは平然と言った。
「ええ、そうですね。あなたは荷物のようにおとなしくはありませんから」
雪男も平然と言い返してきた。
そして、シュラを肩に担いだ状態で歩きだす。
しばらくして。
「おい、ビリー」
「僕の名前はビリーじゃありません」
「歩いて帰るより運んでもらったほうが楽だと思ったんだが、この体勢、結構、疲れる。だから、おろしてくれ」
そうシュラが言うと、雪男はピタリと足を止めた。
だが、シュラをおろそうとはしない。
「おい」
「おろしてもいいですけど、条件があります」
「なんだ?」
ちゃんと名前で呼べとかかな、と思いながら、シュラは聞いた。
しかし、その予想は外れだった。
「もう少し露出を控えてください」
「はあ!?」
「あなたは肌を外に出しすぎです。だから、あんなヤツらにちょっかいを出されるんです」
つまり、肌の露出の少ない格好をしろと言うことか。
「なーに風紀委員みたいなこと言ってんだ」
シュラは軽く笑う。
「アタシはアタシの好きな格好をする。そのせいで、変なヤツらにからまれたって、ぜんぜん、かまわないよ」
からまれても追い払える自身がある。
だいたい、さっきの男たちについても、こちらが遊ぶつもりだった。
「あなたがかまわなくても、僕がかまいます」
「はぁ? なに言ってんだ?」
「……あなたは、僕の」
雪男は告げる。
「可愛い人ですから」
一瞬、時が止まった気がした。
「……なあ、アタシといくつ歳が違うか知ってんのか?」
「ええ、もちろんです。それぐらい計算できますから」
あっさりと雪男は言った。
この体勢なので、雪男のうしろ姿が見えるばかりで、雪男が今どんな顔をしているのかシュラには見えない。
残念なような、これで良かったような。
赤面なんかしていたら、いっそうタチが悪い。
それに、自分だってそうだ。
今の自分の顔をみられたくない。
さすがに動揺してしまって、それを隠しきれている自信がない。
「条件を受け入れてもらえないようなので、おろしません」
そう雪男は告げると、ふたたび、シュラを肩に担いだまま歩きだした。










作品名:僕の可愛い人ですから 作家名:hujio