しーど まぐのりあ3
すたすたと出て行った鷹を横目にして、ディアッカは苦笑する。この街は、子供が育たない。滅びた国が完全に忘れ去られるまで、その国のものが生きている場所だから、成長というものはないのだ。だから、乳飲み子だったアスランを連れて辿り着いてしまったパトリックに、アスランは里子に出せと命じた。しかし、パトリックは頑として聞き入れず、成長が難しい子供を、普通の倍もかけて育てた。滅びる国の最後のひとりとなるように、普通ではない、この街の子供にしたのだ。
作品名:しーど まぐのりあ3 作家名:篠義