forever,fornever
好きなひとに好きと言われた。
甘いふれあい、やさしい言葉、細かい心遣い、最高の笑顔。
およそ恋人同士が求めるすべてをもらった。
与えられたものを、どうやって返したら喜んでもらえるか夢中で考えた。
時間を濃密に過ごすことに、ふたりどちらも躍起になった。
恐ろしいことに、それぞれかなり特殊な特技を持つふたりだったから、会えない日には互いの夢へ出入りするようになってしまった。
現実でも夢でも、顔を合わせればキスをして、愛してると言い合って、溺れるように体を繋げた。
だから嬉しくて、そういうふたりが大抵口にすることを、ある日言ってしまった。
「なあ、ずっとずっと、そばにいて」
「ええ、望むところです。言われずとも、当然そうするつもりでしたよ」
その一見幸せな約束が、ありふれた甘美な言葉が、恋人にとってどういう意味を持つか、そのときの自分は思いいたらなかった。
いや、知っていて見ないふりをした。
あまりに特殊なそのひとを縛る、何より過酷な枷を強いることを―――――
甘いふれあい、やさしい言葉、細かい心遣い、最高の笑顔。
およそ恋人同士が求めるすべてをもらった。
与えられたものを、どうやって返したら喜んでもらえるか夢中で考えた。
時間を濃密に過ごすことに、ふたりどちらも躍起になった。
恐ろしいことに、それぞれかなり特殊な特技を持つふたりだったから、会えない日には互いの夢へ出入りするようになってしまった。
現実でも夢でも、顔を合わせればキスをして、愛してると言い合って、溺れるように体を繋げた。
だから嬉しくて、そういうふたりが大抵口にすることを、ある日言ってしまった。
「なあ、ずっとずっと、そばにいて」
「ええ、望むところです。言われずとも、当然そうするつもりでしたよ」
その一見幸せな約束が、ありふれた甘美な言葉が、恋人にとってどういう意味を持つか、そのときの自分は思いいたらなかった。
いや、知っていて見ないふりをした。
あまりに特殊なそのひとを縛る、何より過酷な枷を強いることを―――――
作品名:forever,fornever 作家名:銀杏