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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「れ、連結刃?!
 そ、それなら、こっちだって!――」

 ――リーダー格まどかが、再び
『さやかの剣』をもう1本実体化させて、
――その柄の部分に隠されている
スイッチに触れると、
――カチッ、と――音がして、
――『さやかの剣』も、連結刃の形態に
変形した。

「ほほう!
 連結刃に、同じ連結刃で対抗するか。
 ますます、おもしろい!

 では、見せてみろ! お前の剣技を!」
 まどかを挑発するシグナム。 

「えええい!
 切り裂け! スクワルタトーレ!!」
 ――そう言って、まどかは、連結刃を
振り回すが――

「? どこを、狙っている?!」
 シグナムの言葉通り、リーダー格まどかの
連結刃は、シグナムには当たらず、
全然あさっての方向に、ぶっ飛んでいる。

 ――しまいには、
「うきゃあああ!」
――地面で跳ね返った自分の連結刃で、
自分を斬りそうになっている
リーダー格まどかだった。

「まったく話にならんな。
 連結刃とは――」
〔シュベルト・フォーム!〕
 レヴァンティンが通常の剣形態に戻る。

――シグナムの目がギラリと光り――
「――このように、使うモノだ!

 シュランゲバイセン・シュナイデン!」

 ――シグナムが、閃光の速度で
リーダー格まどかの目前に踏み込み
剣の柄で、彼女の額を強打した。
「あぐっ!」
 ――悲鳴を上げるまどかを、
さらにシグナムは、――
再び連結刃の形態にしたレヴァンティンを
螺旋状にグルグル回転させて――
その斬撃によって遠くまで、弾き飛ばした!

「ぐはぁぁ――――ッ!」
 断末魔のような、叫びが
海岸に響く。

 ぼろぼろで、人間なら、
すでに死んでいておかしくないような
状態のリーダー格まどかに、
シグナムは、油断無く近づいた。

「うううううっ……」
 満身創痍で、苦しそうにしながらも、
なんとか立ち上がろうとするリーダー格まどか。

 シグナムは、そんな
リーダー格まどかに剣を向け、――
「これ以上の抵抗は無駄だ!

 降服して、――武装を解除しろ!」

「それは、……できない……。

 私は……

 私は、全ての魔法少女の希望だから。

 そして、私は、鹿目まどかの、願いそのものだから」

 そう答える鹿目まどかの姿に、
シグナムは奇妙な違和感を感じ取る。

(むう? なんだ、この存在感の無さは?……
 こいつは、すさまじい魔力を周囲に放出している。
 強い闘志も、感じられる。
 ……それなのに、……
 まるでこの場所には存在していないような、この感覚は?
 いったい、どういう事なのだ? )

 ――だが、いくら考えても、答えを見出せない
シグナムは、――自分の疑問を捨て去ると、――
やるべき事を実行に移す。

「ならば、遊びはここまでだ!」

「う?!」
 見れば、シグナムの後方500メートル程の
地点にドーム状の建物が有る。
 
 この星にも、スポーツ競技場のような
物があったとすれば、そのひとつであろうか。

 そのドームがゆっくりと、
2つに割れていく。

 ――その中から、眩い桜色の魔力光に
包まれた高町なのはが、空中へと、浮上していく。

 なのはの、髪の毛は、なぜか
濃い青紫色に変色しており、
――彼女の瞳は、
あわいピンク色に光っている。

「しまった! この魔力反応は?!」
 リーダー格まどかは、慌てるが、
もうすでに遅かった。

 ――なのはは、ドーム内に隠れ、
――戦場に、拡散した魔力が満ちて、
集束砲が最大出力で撃てるタイミングを
待っていたのである。

 ――集束砲とは、戦闘空間に放出された魔力を
かき集め、一つに束ねて発射する
一撃必倒の砲撃魔法だ。

「なのはさん! いけます!
 超広域個別照準――完了です!」
 ――なのはと、『ユニゾン中』のリインが叫ぶ!

「それじゃ、いっきまーす!
 ブラスター・スリー!!」
〔オーライト! ブラスター・スリー!!〕
 なのはの意思に、レイジング・ハートが答え、
ブラスター・システム(能力強化装置)を
起動させた。
 ――なのはと、レイジング・ハートから、
限界を超えた凶暴なほどの、膨大な魔力が迸る。

「モード、ワイドエリア・マルチロックオン!

 全力全開!

 スターライトォ・ブレイカ――――――――!!!」

 なのはが、上空に向けたレイジング・ハートから、
集束砲スターライト・ブレイカーが発射された。

 天高く、撃ち上げられた桜色の巨大な魔力砲弾は、
花火のように弾けると、惑星の各地に向かって
飛んでいく。

 中型の大きさに、分割した砲弾は、各大陸の
激戦地に到達すると、さらに破裂してから、
小型化して、豪雨のように地上に
降り注いだ。

 ――そして、桜色の銃弾は、残存していた
まどか軍団のまどか達一人一人を
正確に撃ち抜いていく。

「あああああっ?!」
 自分の軍団が壊滅していく様を
信じられない、といった感じで
見つめるリーダー格まどか。

「やったようだな」
 なのはの戦果に、安堵するシグナム。

「やりますね。
 まさか、はでに動いていたあなた達の方が
オトリだったとは」
 全身の傷から血を流しながら、リーダー格まどかが、
ゆらりと、立ち上がった。

「どうだ? 
 私達の仲間は強いだろう?」

「そうですね。……すごく強い。

 だから……」

「だから?」

「だから――そのチカラ……

 コピーさせてもらいます!」

「なにっ?!」

「軍団再生!」
 リーダー格まどかが、そう言うと、
彼女の体から、巨大な魔力が放出され
――たった今全滅したはずの、
鹿目まどか軍団が、惑星上にいきなり
無傷な姿で出現する。

「くっ?!」
 驚きつつも、反撃に備えるシグナム。

 見れば、リーダー格まどかも
その体の傷と、服の損傷が、完全に消えている。

「私には……過去と、未来の、全てが見えるの」
 そう言うと、にっこり笑うまどか。

 ――そのあどけない、美少女の笑顔に
底知れぬ恐怖を感じるシグナム。

「だから、――私は、過去に存在した
全ての魔法少女達の魔法が使えるんだよ」

「な?!」

「来たれ!

 さくらカード!」

 リーダー格まどかが詠唱しながら、
腕を空に向かって振り上げると、まどか軍団の頭上から
カードの様な物体が出現した。

「何だ、あれは?!
 カード?」

 見たことも無い魔法の技に、
シグナムが目を見開いていると、――
「契約のもと、まどかが命じる……ミラー!!!」

 鹿目まどかの詠唱が完了すると、まどか達の足元には
星型を中心とした、未知の魔法陣が形成される。

「?!」

 シグナムの目前で、数百人の『鹿目まどか』が
高町なのはと全く同じ姿に変身した。

 フェイトや八神はやての姿に変身した、まどか達もいる。

「バ、バカなっ?!」
 驚愕するシグナム。

◇ ◇ ◇