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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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 レティは、自分とリンディが、
狂気の、マッド・サイエンティストの、
モルモット(実験台)にされているような
気がしてきて、不愉快だった。

 実際、今回、ビッグ・タイガーの出撃を
許可した上層部の連中に、そういう意図が、
有ったとしても、おかしくはない。

 そう考えると、レティは、
余計に気分が悪くなってきた。

(あの、連中の思惑通りにさせていいの?
――レティ・ロウラン。)

 自問自答するレティ。

(ヤツラは、多数の人的被害が出る危険性も、
充分承知の上で、我々に新兵器の実戦テストを
やらせるつもりなんだわ。)

 ――これでは、一生懸命、真面目に、
職務を遂行している自分が、
『アホ』みたいではないか。

 ――そう思った、レティは、――
なんだか、だんだん、腹が立ってきた。

「……あっ!!
 ビ、ビクトリー発見!」
 オペレーターが、突然叫ぶ。

「見つけたの?!」
 レティが、尋ねたが、――

「あ? …… あれ?
 ……す、すいません!

 良く似たサイズで、似た形の小惑星でした!

 申し訳ありません!」
 オペレーターが、ぺこぺこ頭を下げて、
レティに謝った。

「――もういいわ。
 次からは、きちんと、確認してから、
報告しなさい」
 レティは、それ以上
きつく叱ったりは、しなかった。

「はっ! 以後気をつけます!

 ……この、宙域は、魔力素の濃度が濃く、
センサー類の反応が不安定でして、――

 かなり大規模な、魔法戦闘が行われた
ようです」

「でしょうね。
 出現した、まどか軍団は、数億人いたと、
報告がきているわ」

「…………ん?
 こ、これは!」

「何?」
 オペレーターに、レティが尋ねる。

「反陽子の反応です!

 この恒星系内で、反陽子爆弾が使用された
形跡があります!」

〔恒星とは、――太陽の様に、それ自体発光する星の
事である。――惑星とは、この恒星の周囲を公転する、
地球の様な、大型の天体の総称。
――そして、恒星系とは、恒星および、それを
中心として、運行する惑星の集団の事を意味する。
――ちなみに、太陽系も、恒星系の一種である。〕

 ――オペレーターの報告に、
レティの顔色が変わる。

「なんですって!

 反物質兵器が、…………」

「――まどか軍団の仕業でしょうか?」
 このオペレーターの疑問には、――

「いままで、確認された、
まどか軍団の戦闘能力に関しても、
他の魔法少女のデータでも、
そんな物を使用した情報は、
まったく無かったわ。

 ――恐らくは、報告にあった、伝説の魔神、
サリー・ザ・マジシャンが使用した、
と考えるのが、妥当ね」
 このレティの推測に、今度は、
オペレーター達の顔が青くなる。

「まどか軍団に、伝説の魔神、
そ、そんな連中に今、
襲われでも、したら!!」
 オペレーター達の顔は、
恐怖に染まっていた。

「落ち着きなさい!

 本艦の任務は、あくまで、
ビクトリーと、その乗員の、捕獲よ!

 今は、目の前の、任務に集中しなさい!」
 レティが、オペレーター達を叱責する。

「はっ!
 も、申し訳ありません!
 任務を続行致します」
 やっと、落ち着いたオペレーター達は、
ビクトリーの探査に集中した。

 ――――そして、しばらく、時が過ぎ、――
「ん? こ、これは? ――まさか?
 …………ま、間違い無い。
 やっと、見つけたぞ。

 ビクトリーを発見しました!」
 オペレーターが、今度は確信に満ちた、
声を出した。

「発見したの?!」
 レティが、尋ねると、――
「メイン・モニターに出します」

 オペレーターが、メイン・モニターに、
映像を出すが、――――
「どこ?」
 レティが、映像を凝視するが、
そのどこにも、ビクトリーらしい物体は、
見当たらない。

「あそこです」
 オペレーターが、指差す先には、――
「あれが? ビクトリー?」

 オペレーターが、指差した物体は、
単なる大きな、岩石の塊にしか、見えない。

「対象物をズーム(拡大表示)します」
 オペレーターが、そう言うと、
問題の、岩石の塊が、拡大表示された。

「こ、これは?! まさか!」
 レティが、珍しく、驚いた声を出した。

 その巨大な岩石の所々から、
魔導砲の砲台や、レーダーやセンサー類が、
その姿をちょっとだけ、覗かせているのだ。

 そして、現在、周囲の小さな岩石が、
そこに吸い寄せられ、姿の見えている
砲台などを、懸命に隠していっているのだ。

「こんな事をして、ここに隠れていたのね。
 でも、良く見つけられたわね」
 オペレーターの仕事を、褒めるレティ。

「はい。
 わずかに、小惑星が妙な動きをしていました。
 もし、ビクトリーの、カモフラージュが
完了していたら、発見は不可能だった
かもしれません」

「…………」

「すぐに、攻撃を仕掛けましょう!
 気がついていない振りをして、
接近すれば!」

「………………」

「レティ提督?」

 レティは、オペレーターの問いかけにも
答えず、ビクトリーをじっと見つめている。
 
 その時、――――
「時空管理局、本局より暗号電文あり」
 通信担当のオペレーターが、報告する。

「読め」
 レティの命令を受けて、――
「ビクトリーの捕獲に成功したか?
 すぐに報告をせよ、です」
 オペレーターが、電文を読み上げた。

「本局へ、暗号電文を送れ」

 レティが命令をしたので、
通信担当のオペレーターは、聞き返す。

「内容は、何と?」

「我、目標の次元世界に到達するも、
ビクトリーを発見出来ず。

 ビクトリーは、すでに別の次元世界に、
逃走した可能性が高い、と推測される。

 なお、本艦は、魔力駆動炉の
出力が不安定な為、早急に、本局の整備ドックで、
艦のシステムチェックをする事が、
必要と思われるので、急遽帰還する事を英断。

 よって、ビクトリーの追跡には、
別の艦を派遣する事を、提案する。

 ――ビッグ・タイガー艦長、レティ・ロウラン」
 
 このレティの指示に、ビクトリーを発見した
オペレーターの、目が点になる。

「て、提督?!

 ビクトリーは、あそこに!」

「そう?

 岩石が、邪魔をして、良く見えないけど、
 私には、アレは、別の次元艦のように
 見えるわ」

 このレティの言葉に、オペレーターの、
目は再び点になる。

「へ?!――」

「本艦の任務は、終了した、――

 これより、管理局本局へ、帰投する!」

「はあ」
 ビッグ・タイガーの操舵手も、
なにやら、狐に包まれたような顔のまま、
命令に従った。

 後方に、遠ざかるビクトリーを
じっと見つめるレティ。

「リンディ、――

 自分で決めた事なら、
最後の最後まで、決してあきらめず、
全力全開で、やり遂げなさい。

 あなたの、見つけた子たちが、
いつだって、どこでだって、
そうだったように、――

 そして、必ず、生きて帰ってきなさい!

 あなたには、――
 言いたい事が、山ほどあるんだからね!」

◇ ◇ ◇
 
 再度、ビクトリー艦内の、ブリッジ。