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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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 ――だが、何か様子がおかしい。

 ザフィーラは、――伝説や、空想映画などに
登場するいわゆる『オオカミ男』とは、違い、
オオカミの姿になっても、人間的な心や、
理性を失う事は決してない。

 ――いや、なかった。今までは。

 ――ところが、今のザフィーラは、
まるで、本当の『オオカミ男』のように、
理性の欠片もない、『ケダモノ』みたいだった。

 その目は、野獣のように爛爛と光り、
大きな口からは、ヨダレをしたたらせている。

「ザフィーラ?! おい、どうしたんだっ?
 ザフィーラ?」

 ヴィータは、自分さえ、見た事のない
仲間の異変に動揺した。

 しかし、――
「今は、近づかない方がいいわよ。

 今のザフィーラには、かろうじて、
敵味方を認識する知性ぐらいしか
残っていないから」
 シャマルが、冷静に解説する。

「何だって?! シャマル?
 ザフィーラに一体、何を?!」
 血相を変えるヴィータ。

「彼の獣性・性欲・性的本能・精力を、
限界まで増幅したのよ!
 人間的な、理性は、封印してね。
 でも、私の命令は、ちゃんと聞くように、
 設定してあるわ」
 状況を説明するシャマル。

 悪魔か、あんたは?

「な、なんだって――――?!!」
 絶句するヴィータ。

「そして、彼には、欲望の対象を
『目の前の、青・銀・黄色の鹿目まどか』であると、
設定したわ」

「な、な、何、――――?!!」
 今度は、3人のまどかが、絶句する番だった。

 シャマルの言った通り、獣じみたうなり声を
あげながら、『目の前の、青・銀・黄色の鹿目まどか』に
ゆっくりと、迫るザフィーラ。

「ひ?!」
 小さな悲鳴を上げる青まどか。

 ――だが、

「ふ、ふんっ!

 だから、なんだって言うのよ。

 こんなヤツ、やっつけてしまえば!」
 黄色のまどかが、マスケット銃を、
ザフィーラに向けた。

「やってみなさいよ。
 できるものならね」
 黄色まどかを挑発するシャマル。

「こ、こいつ、――――!!」
 黄色まどかの射撃魔法が、ザフィーラに、
直撃したが?――

 ――ザフィーラの体は、白い光に包まれ、
その光が、攻撃を全て跳ね返した。

「こ、これは?! まさか?!」
 目を見開く黄色まどか。

「そう、それはビクトリーが使ったのと
同じ耐圧力バリアー。

 今は、ビクトリーのメイン・コンピューターと、
私のクラールヴィントがリンクしていて、
私と、ザフィーラだけが、個人用バリアーとして、
使用できるのよ。

 前々から、リンディ提督の許可をもらって、
このリンク・テストを、していたのだけど、
思わぬところで役に立ったわね」
 冷たい声で説明を続けるシャマル。

「ひでえや、シャマル。

 あたしだけが、そのバリアー無しかよ」
 文句を言うヴィータ。

「ごめんなさいね、ヴィータ。

 このリンク・システムは、試作段階で、
今は、2人しか使えないの。

 制限時間も有るし、無限に使える訳じゃないのよ。

 私が、ここでやられちゃったら、
ザフィーラをコントロールして、さらに
元に戻せる人物がいなくなっちゃうでしょ。

 そしたら、たぶん、あなただって、
ザフィーラに大変な事されちゃうわよ。

 今の彼の精力は、絶大よ。

 女の子3人ぐらいじゃ、きっと、
満足できないでしょうね。

 まあ、ザフィーラにいやらしい事を、
されたいのなら、別にいいけど」
 シャマルは、不気味な笑みを浮かべた。

「ああ? い、いや、遠慮しておく!」

 ブルブルと、首を横に振って、
絶対拒否の意思を表現するヴィータ。

 別に、ザフィーラが、『嫌い』という訳じゃないが、
……仲間に、しかも、こんな状態のザフィーラに
『いやらしい事』をされるなど、ごめんだった。

「今の、私と、ザフィーラには、
どんな攻撃も通用しないわ。

 ねえ、この意味が分かる?」
 『ニコニコ』と、笑顔で、まどか達に質問するシャマル。

 プルプルと震え始める3人のまどか。

 そのまどか達に、うなりながら、近づくザフィーラ。

「ガルルッ!

 グルルルルル――!!!」

「ひ! い、いや!

 こ、来ないでぇ――――!!

 い、いやぁっ! いやだ、いやだよ!

 ご、ごめんなさい!!!

 もうしません!

 ゆ、ゆるしてぇ――――!!!!」

 ぼろぼろと、本気で泣き始めた3人のまどか。

「うふふっ。

 ごめんで済めば、――
時空管理局は、いらないのよ」
 明るい笑顔が、かえって恐ろしいシャマル。

「い――――――――や――――――――ッ!!!!!!」

 3人の『鹿目まどか』に、今まさに、
飛びかかろうとする、ケダモノ・ザフィーラ!

「ひィ――――――――!!!!」

 その時、シャマルが『パチン!』と、
指を鳴らした。

 ――すると、ザフィーラの動きが『ピタリ!』と、
止まる。

「ひ?!」
 
 硬直している3人の『鹿目まどか』。

「じゃあ、私の言う通りにする?」
 シャマルは、にっこり笑って、3人のまどかに、
尋ねる。

「する! する! します!

 何でもします!

 もう何でもやります!」

 3人のまどかは、もう、その顔が、
涙と鼻水で、グチャグチャだった。

「じゃあ、あなた達の支配力の及ぶ範囲で
いいから、まどか軍団を武装解除させて!」
 
 3人に、要求を突きつけるシャマル。

「う! そ、それは、――あの――」
 要求の内容に、たじろぐ、まどか達。

「出来ないの? 

 ――それじゃ仕方ないわね。

 ザフィーラ!!」

 シャマルは、ザフィーラの停止状態を解除しようとする。

「わあっ!! ま、ま、待ってください!!!

 軍団の動きを止めておく程度なら、
なんとかなりますぅ!!!!」

 青くなった3人のまどかは、(元々、1人は青だったが、)
慌てて、自分達に可能な事柄を説明した。

「じゃあ、すぐにやってね」

「は、はいィ――――――――!!!」
 
 3人のまどかは、速攻で、支配可能な範囲の、
まどか軍団の動きを停止させた。

「こわ! シャマル、こえ――!!」

 改めて、『シャマルを怒らせない事』を
心に強く誓うヴィータだった。