二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

INDEX|46ページ/97ページ|

次のページ前のページ
 

 気がつけば、ほっとかれた、3人のまどか達も
光の粒子と化して、消えていくところだった。

 高笑いし過ぎて、『ぜーぜー』と肩で息をしている
シャマルに、『あっかんべー』をしながら、
黄色まどかが、消えていく。

 他の、残存していた、まどか軍団も、
同じく光の粒子となって飛んでいった。

「私にも、そろそろ、帰るべき時が来ました。

 …………

 ほむらちゃん、…………」

 ほむらの名前を、呼ぶ、リーダー格まどか。

「うん、……」

 リーダー格まどかの、手を、握るほむら。

 その、まどかは、夢見るような、表情で、
宇宙の星々を見上げ、――

「未来が、――見えるよ。

 あなた達と、鹿目まどかの、未来が。

 とても、幸せそうな、みんなの笑顔が」

「え?」

「ほむらちゃん、…………

 まどかを、よろしくね。

 もうひとりの、私を、…………」

 そこまで、言うと、まどかは、目を閉じた。

 まるで、安らかな、眠りにつくように、…………

 その顔は、楽しい夢でも、見ているかのように、
かすかに、笑って見えた。

「まどか?

 まどか!   ――――

 まどかぁー!

 ……………………

 まどかぁ――――――――――!!!!!!!」 

 泣き叫ぶ、ほむらの、目の前で、
リーダー格まどかの、体は、実体を失い、
光の粒子へと、変わっていく。

 まどかだった、光の粒子たちは、
別れを惜しむかのように、
ほむらの周りを数回くるくる回ってから、
宇宙の彼方へと、消えていった。

◇ ◇ ◇

 『魔女』と呼ばれる者達が暮らす星の上では、
人々の歓喜の声が、広がっていた。

「た、助かった? ――――
 助かったのよ! 私達!」

「戦争は、終わった!
 星は救われた! 
 私達の星が!」

 シェルターから、外に出てきた住民達が、
喜びの声を上げる。

 泣きながら、抱き合って喜ぶカップルもいた。

 はしゃぎ過ぎて、ころんでしまい、
少々ケガをする人までいる。

 だが、皆そんな事は気にしない。

 今から、またいつもと変わらぬ、
平和な日常が、始まるのだ。

 それは、――何と退屈で、何と、幸せな事だろう。

 平和が、長く続くと、人は、皆、平和の尊さを
忘れるものだ、――と、歴史の専門家は、言う。

 それが、人の真実である。

「ファビア!

 ファビア!!

 助かったのよ! 私達!」

 ファビアと言う名の少女の、母親なのか、姉なのか、
それは、分からないが、――若い女性は、ファビアを
抱きしめ、泣きながら、そう言った。

 ファビアは、宇宙(そら)の一点を見つめて、――

「うん、――――

 ありがとう、勇敢な人たち。

 ……………………

 そして、――――

 さようなら、

 魔法の戦士たち」

◇ ◇ ◇

 伝説の魔法少女達と、伝説の魔女っ子達も、
この宇宙から、去る時がきたようだ。

 彼女達の代表として、『木之本 桜』が、
暁美ほむらと、握手を交わす。

 桜に、『THE HOPEの、さくらカード』を
返却するほむら。

「『希望』のカードを貸してくれて、ありがとう。

 おかげで、大切な人を救う事ができたわ」

 桜に、感謝するほむら。

「こちらこそ!

 この子、すごく喜んでるから!

 実は、この子は、元々、破壊能力しかない、
『無 = THE NOTHINGの、クロウカード』
だったんです。

 1人ぼっちで、寂しくて、暴れまわっていた、この子を、
――私と、さくらカード達、それに私の大切な人が、
チカラを合わせて、説得に成功して、――
やっと、さくらカードの仲間入りを、
したんですが、――
 それ以後は、あまり、事件とかは、無くて、
このカードを、使うような、必要が無かったんです。

 それ自体は、とても、良い事なんですが、
この子、誰かの役に立ちたいと、私に、
いつも言っていて。

 それで、今回あなたの願いを叶える事が出来たので、
本当に、この子、すごく、喜んでいるんです」

 事情を説明する桜。

「じゃあ、良かったわ。

 『戦いの因果の糸』を破壊する為に、
その子が、変化した剣を何度も、
乱暴に叩き付けたから、
怒っているんじゃないかって、
心配してたの。

 カードに、精霊が宿っている事は、
なんとなく、感じられたから」

 ほむらの、言葉に、桜は微笑む。

「あなたの親友を想う気持ちが、
本物だったから、この子も、頑張れたんだと
思います。
 
 改めて御礼を言います。

 本当に、ありがとうごさいました」

「ううん。

 礼を言わなきゃいけないのは、私の方。

 ありがとう、桜ちゃん」

「…………あ、あのー、これは、
私の勝手な、推測なんですが、――

 『鹿目まどか』さんは、いつか、
帰ってくるんじゃないでしょうか?」

 桜が、不思議な事を言い出した。

「ええ?!

 どうして、そう思うの?」

 ほむらは、桜の言葉に、思わず質問する。

「途中から、話を聞いていたんですが、
あの軍団長さんは、確かに言ってました。

 ――まどかを、よろしくね。

 もうひとりの、私を、――――って」

「……………………」

「それって、本当の、まどかさんが、
こっちの世界に戻って来るって、
事だと、思えるんです」

「そうだと、……良いわね」

「あと、ここにいる皆さん、全員に聞いて欲しいのですが、
――これは、私が、経験から得た教訓なんですが」

「なあに?」

「人を本当に、幸せにするのは、魔法のチカラじゃない。

 私は、そう思うんです」

「!!!!! 本当に、そうよね。

 でも、改めて、
心にとどめておくわ、あなたの言葉」

「生意気な事、言ってすいません」

「いいえ、私達のように、魔法を使える者は、
その当たり前の事を、良く忘れてしまう。

 魔法のすごいチカラを、見続けると、
魔法が万能に思えてしまう。

 魔法で全て、解決出来ると、
考えるようになる。

 決してそうではないのに」

「はい」

「魔法のチカラで、全てが手に入る訳じゃないわ。

 いつの間にか、私達も、その事を、
忘れていたのかも、知れないわね」

「…………あっ、
そろそろ、サリーさんの、召喚魔法が、
帰還モードに入りますっ!」

「それじゃ、桜ちゃん、皆、
本当にありがとう。

 元気でね!」

 ほむらや、マミ・杏子、なのは達が、
伝説の少女達を見送る。

 淡い光に、包まれる『魔法使い』たち。

 やるべき義務を果たしたので、
少女達を、元の世界に、帰還させる方向に
転移魔法が作用を開始したのだ。

 ――だが、少女とは、言いにくい人が、
騒ぎだした。

「あああっ! ちょ、ちょっと待って!

 ほ、報奨金! 報奨金は?!」

 勿論それは、ナーガだった。

「今は、しょうがないわ。

 後で、特殊魔法で、こっちの世界に、
転移してくるしかないわ!

 その時は、よろしくね!

 フェイト執務官!!」

 リナが、フェイトに、報奨金の支払いを、再度、確約させる。