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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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 ビッグ・タイガーの艦内から、応援の管理局魔導師が、
多数出てきて、負傷者の手当てと、――活動停止中の、
――残存する、まどか軍団の捕縛を、行い始める。

◇ ◇ ◇

 黒まどかは、――臨終の国王に付き従う、
忠実な兵士のように、恭しく、――
リーダー格まどかの、すぐ近くに跪いた。

「軍団長、長い間、お疲れ様でした」

「ブラック……あなたこそ、とても、
苦労をさせましたね。

 今まで、本当に、ありがとう」

 互いの労をねぎらう、2人のまどか。

 はたから、見れば、仲のいい、双子の姉妹のように、見える。

「ほむらちゃん、最後に私の話、
聞いてくれる?」

 ほむらに、視線を向けて、
リーダー格まどかが、尋ねる。

「うん。

 何でも聞くわ」

 リーダー格まどかの運命を悟ったのか、
ただ静かに、そう答えるほむら。

「あの日、あの時、――ほむらちゃんや、
全ての魔法少女を、救う為、――勇気ある、
自分の願いを叶えて、魔法少女となった
『鹿目まどか』は、『鹿目まどか』と言う個体を、
保てなくなった。

 それは、人間としての『自我』を保てなくなる、
と言う事を意味していたの。

 そこで、問題が起きた。

 巨大な魔力エネルギーをコントロール出来るのは、
『人の心』だけなの。

 だから、『鹿目まどか』の自我が、無くなれば、
神にも等しい、その魔力を制御出来なくなる。

 魔力の制御が出来ないと、――『鹿目まどか』が
改変した宇宙は、元の状態に戻ってしまう。

 魔獣達が、そのチカラで、宇宙を、修正してしまうから」

 リーダー格まどかの語る真実に、ほむら・マミ・杏子は、
愕然とする。

「魔獣達が?!」
 思わず大声で、質問するほむら。

「ど、どう言う事だよ、そりゃあ?!」
 杏子も、同じく疑問を口にする。

「ほむらちゃん達の、世界に、出現している、
魔獣は、――人間の負の感情を、核にして、
誕生してくるけど、――その活動エネルギーは、
宇宙が、元の状態に戻ろうとしているパワー
そのものなの」

 この、まどかの解説に、マミが口を開く。

「ようするに、宇宙の反作用みたいなチカラを
あの魔獣は、活用しているって、事なのかしら?」

「正解です。マミさん」
 
 マミに、笑顔で答えるまどか。

「そして、――『鹿目まどか』の自我を保つ為に、
あんたら、まどか軍団が生み出された、
ちゅう訳やな?」

 八神はやてが、話に割り込んだ。

「その通りです。

 事実に気付き、自我崩壊の危機に陥った
『鹿目まどか』は、慌てて、自分を2つに分けた。

 生まれ故郷の宇宙を見守り、その因果律を調整する
自分と、他の世界に存在する魔女を滅ぼす軍団に。

 そうすれば、人としての自我を、
失わずに、済むから。

 だけど、まどか軍団は、――

 私達は、――最初から、間違った存在だった。

 サリーが、指摘した通り、他の世界には、
正義の為に戦う魔女達が、――
ただ、平和に暮らしている魔女達が、いたのに!

 まどか軍団は、ただ無意味に、罪も無い人々を
攻撃する殺戮集団だった!

 私達は、この宇宙に、いちゃいけない存在なんだ!」

 リーダー格まどかは、自らの、運命を呪うように、
涙を流していた。

 縛られている、3人のまどかも、軍団長に同調するように、
泣いていた。

 ただひとり、黒まどか、だけは軍団長の言葉を、静聴していた。

「殺戮集団か、……

 我ら、ヴォルケンリッターも、似た様なモノだった」

 いつの間にか、シグナムが、来ていた。

「シグナム、…………」

 複雑な表情のはやて。

「確かに、やってしまった事は、間違いだった。

 でも、その『想い』だけは、決して間違いじゃない」

 リナが、会話に加わっていた。

「リナ・インバース…………」

 リナを見つめるシグナム。

「リ、リナさん? その髪の毛?」

 リナの髪が白髪である事に、ほむらが気付いた。

「ああ? これ? 大丈夫よ。

 前にも、一度、こうなった事が有るんだけど、
しばらく時間が経てば自然と元に戻るのよ」

 リナが、心配そうな、ほむらに答えた。

「元に戻るモノ・戻せるモノは、それでええ。

 そやけど、結局、尊い命が、たくさん、
失われてしもうた。

 まだ確認は、出来てへんが、恐らくは
管理局部隊にも、多数の犠牲者が、……」

 起きてしまった、悲劇の大きさに沈み込む少女達。

 だが、そんな、皆に、まどかは、告げる。

「その事なら、大丈夫です。

 私達は、もうすぐ、実体を失い、私達を構成していた
魔力は、全て、オリジナルの鹿目まどか本人に、戻る。

 まどか軍団は、鹿目まどかの願いを核にして、
彼女の魔力が実体を持ったモノです。

 その魔力が、全部、オリジナルの鹿目まどかに
帰って行けば、――――――
 復活するはずです!

 神のチカラを持つ、宇宙最強の魔法少女、
ハイパー・アルティメットまどかが!!」

 まどかの語る内容に、信じられない様子の一同。

「ハ、ハイパー・アルティメットまどか?

 その神様のような魔法少女が、復活すると、
一体全体、何が起きるんや?」

 はやてが、次の言葉を促す。

「今、鹿目まどか本人は、高次元世界にいますが、
彼女も、この状況に、心を痛めているはず。

 ハイパー・アルティメットまどかになった
彼女は、必ず、消滅した人々や、傷ついた者達、
破壊されたモノを、――その神に等しいチカラで、――
元の状態に戻してくれる、と思います」

 まどかの話に、まだ、信じられない、といった顔の、面々だった。

「まあ、それやったら、何も問題あらへん。

 恐らく今回の事件は、時空管理局の公式データからは、
完全に、削除されるやろうな」

 はやては、自分の予測を話した。

「ええ?! それは、どうしてですか?」

 はやてに、首を傾げながら、尋ねるほむら。

「考えても、みてみい!
 本来、たった1人の、魔法少女に、
管理局の次元艦隊が、一時的とは言え、
全滅させられたんや!
 そんな、事実、あまりに恥ずかしゅうて、
公式資料に、残せる訳が、あらへん!」

 ――はやての、予見通り、この事件が公式データに
残る事はなかったのだ。

 全ての真実は、闇から闇へと、葬られた。

 ――それを知る人々の、思い出の中を、除いては。

「軍団長、そろそろ、時間です。

 申し訳ありませんが、私は、先に帰ります」

 突如、別れを告げる、黒まどか。

「さようなら。

 また、会いましょう、ブラック」

 黒まどかに、別れの挨拶をするリーダー格まどか。

「ブラック?! 帰るって?」
 驚くはやて。

「さらば、八神はやて。

 あなたの言った通り、『仲間』は、強かった」

 はやてに、手を振りながら、黒まどかは、
光の粒子となり、彼方の宇宙へと、散っていく。

「そうか。

 帰っていったんやな、自分の有るべき場所へと」

 はやては、心の中で、強敵(とも)に、
別れを告げた。