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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「分かっています。

 そこで、私が、さやかさんと、
ユニゾン(融合)して、魔力の制御・
因果律の調整など、全てをサポートする、
つもりです」

 リインは、自分のプラン(計画内容)に、
自信を持っていた。

「どうして?

 何故、私達の為に、そこまで、
してくれるんですか?

 本当は、リインさんは、今まで蓄積した魔力を
使えば、マスターである、八神はやてさんの所へ、
帰る事だって出来るはずなのに、……。

 リインさんは、仲間や、家族の待つ、
暖かい、場所に、帰りたくは、ないんですか?」

 (自分は、意地の悪い事を言っている)
と、思いながらも、まどかは、リインの真意を、
確かめたかった。

「何故、そこまでするのか、――

 あなた達が、好きになったから、――
では、理由になりませんか?」

「リインさん…………」

 さやかが、リインを見つめた。

「我が主(あるじ)は、とても強い女性に、
成長しました。

 それに主の、そばには、頼もしい、我が友、
我が同胞たちが、いつも、おります。

 とても、良い友人達にも、恵まれています。

 もはや、何の心配も、有りません。

 それに、あなた達をここで助けずに、
帰ったりしたなら、私は、主、はやてから、
きつく、叱られてしまいます」

 リインは、笑いながら、そう言った。

「ならば、ワシも、さやかと、リインの、
補佐役を、務めよう。

 ワシの『超次元システム』が、因果律の
コントロールに、役立つじゃろう」

 サリーが、そう言うと、別の声が、聞こえてきた。

「そう言う事なら、私達にも、
お手伝いさせてください!」

 そう声を上げたのは、まどかによって、
魔女化の危機を救われた、大勢の魔法少女達だった。

 彼女達も、今は、高次元生命体と、なっており、
この世界で暮らしていたのだ。

「なるほど――。

 2人に、コントロール可能な魔力を分割したと、
しても、まだ余剰分の魔力が、かなり残る。

 その分を、皆さんに、負担してもらうのも、
良い方法かも、知れませんね」

 リインの話に、集まってきた魔法少女達も、賛同する。

「みんな、――まどかに、感謝してるのよ」

 さやかが、周囲を見ながら、そう言った。

「みんな――」

 まどかは、沢山の好意に、泣きそうだった。

「そして、――まどかは、もう一度、
向こうの世界に、戻る」

 しかし、このさやかの言葉を聞いたまどかは、――

「さやかちゃん…………

 私、……いやだ。

 絶対に、そんなの、いやだよ。

 もう、さやかちゃんと、二度と、会えなくなる、なんて。

 もう姿を見る事も、触れる事も、出来なくなる、なんて。

 ……………………私、…………

 私、本当にバカだ。

 今になって、あの時の、ほむらちゃんの、気持ちが、
やっと分かるなんて」

「まどか、……」

「いやだ。

 いやだよ、さやかちゃん」

「まどか。

 あたしは、さ、

 ――あの時、まどかに、救ってもらえなかったら、
魔女になって、魂が消滅して、そのままだった。

 ――それが、まどかのおかげで、愛する人が、
幸せになるところを、ちゃんと、見守る事が、
できたんだよ。

 それに、こっちの世界に来てからは、まどかが、
いつも一緒にいてくれたから、あたしは、
全然寂しくなかった。

 ――10年ぐらい前からは、リインさんが、
加わって、3人で一緒に暮らしてて、
すごく楽しかった。

 どれも、大切な思い出だよ。

 あたしは、幸せだった。

 まどかのおかげで、あたしは、本当に幸せに
なれたんだよ。

 だから、まどか、――

 今度は、まどかの番だよ。

 あんた、まだ、何もしてないでしょうが!

 まどかは、あの世界に帰って、――
『人間に戻ってから』、――
今度は、自分の幸せを見つけるんだよ」

「人間に、戻るって、……仮に
普通の魔法少女に戻れたとしても、
人間に戻る事は、…………」

「そこらへん、大丈夫なんだよね?

 リインさん、サリーさん?!」

 さやかが、2人の方を振り向いて、質問する。

「はい! 現在の宇宙の動きならば、
少し、因果律を操作してやれば、……」

 リインが、そう答えた。

「うむ! ワシの『超次元システム』を
フル稼働させれば、造作もない事よ!」

 自信満々のサリー。

「――だ、そうです」

 まどかの方を向き、笑顔で回答するリイン。

「魔法少女が、人間に戻れるようになる?!」

 とても信じられない、――と言う顔の、まどか。

「そう言う技術が、開発されるように、
私達で、因果律を操作しておきます」

 リインが、この計画の、重要な部分を
説明した。

「まかせておけ!」

 サリーも、胸をはって、成功を約束する。

「まかせたっ!」

 サリーに、笑顔を向け、手の親指を立てる、さやか。

 そして、さやかは、再度、まどかの方を向いて、
説得するかのように、話しだした。

「まどか、……あたし、約束する。――

 今度は、あたしが、『円環の理』となって、
まどかの生きる世界を守る。

 これからは、あたし達が、――
悲しい魔女が生まれないように、宇宙の因果律を調整する。

 そして、ずっと、まどか達の世界を、見守るから。

 あの世界で、まどかが、幸せになるのを、
ずっと、見守ってるから」

「………………さやかちゃん、……」

「まどか、――あんたは、今まで充分に頑張ってきた。

 だから、もう、幸せになってもいいんだよ」

「ずるい。……

 ずるいよ、さやかちゃん。――

 そんな風に言われたら、私、私、………… 」

「あんたが前に、ほむらに、言っていたように、――

 見えなくても、聞こえなくても、あたしは、
ずっと、まどかのそばにいるよ。

 そばにいて、ずっと、見守ってるから」

「さやかちゃん、……私……私っ…………

 うう、……ふっ……ぐすっ……う……うあああああ!!」

 とうとう、まどかは、泣き出してしまう。

 まどかは、――皆が何を言っても、――泣き続けた。

 初代リインと、サリーが、オロオロするなか、
さやかは、いきなり、まどかを抱きしめ、――
彼女の唇を奪った!

「うぶ?! んんっ?!

 んーん――?!

 んー! ん――――!!

 ぷはあっ!!」

「えへへ、

 まどかの、ファースト・キッス、もーらい!!」

「な、なななな!

 何するの?!

 さやかちゃん?!」

「まどかってば、なかなか、泣き止んで、
くれないんだもん。

 そこで、強行手段に出ました!」

 ペロッと、舌を出す、さやか。

「さやかちゃん!!」

 真っ赤になって、本気で、怒り出す、まどか。

「ねえ、まどか。――

 まどかが、あたしに、教えてくれたんだよ。

 生きる事は、すばらしいんだって」

「さやかちゃん、…………」