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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「――これは、たぶんだけど、……

 まどかが、ずっと幸せな様子を、
あたしに、見せてくれるなら、
あたしも、幸せな気持ちで、
いられるんだと、思う。

 ――だから、まどか、
 あたしに、約束して、――

 人間に戻ったら、
 
 絶対に幸せになるって」

「さやかちゃん、…………

 分かった、……

 私、約束する。

 絶対に、……

 絶対に、幸せになるって事を」

「まどか、……」

 2人の少女は、お互いを、強く
やさしく、抱きしめ合う。

 触れ合う唇と、唇。

「……んっ…………」

 今度は、お互いの意志で、口づけをする2人。

 ――ただ、暖かな、ぬくもりを、感じていたかった、……

 ――ただ、ずっと2人で、いたかった、……

 この世界で、2人でいる時間が、――
気の遠くなる程、長かった、まどかと、さやかは、
――互いに、離れがたい存在となっていたのだ。

 もはや、友人とか、親友と言うレベルを超える程に。

 切り離す事の出来ぬ、互いの半身と、呼ぶ程に。

 ――いや、もっと深い理由がある。

 それは、まどか自身、忘れている、遠い日の思い出。

 ――――――――――

 ――美樹さやかが、まだ小学生だった頃、
見滝原町に引っ越してきた1人の女の子がいた。

 それが、鹿目まどかだった。

 気が小さく、引っ込み思案だった、まどかは、
すぐ、周囲からの、いじめの対象となった。

 そんな、まどかを、かばったのが、
美樹さやかだったのだ。

 まどかは、――髪の毛がショートで、
半ズボンをはいて、元気に動き回る、
さやかの姿を見て、――
てっきり男の子だと、思い込んでしまった。

 まどかが、その子を好きになるのは、
自然な流れだった。

 つまり、――鹿目まどかにとって、
――美樹さやかは、初恋の相手だったのだ。

 ――――――――――

 しばらく、2人は、ただ無言で、
抱き合っていた。

 そして、さやかは、ゆっくり、
まどかの体を放す。

「リインさん、

 お願いします」

 リインにそう言う、さやか。

「はい」

 初代リインフォースは、さやかに返事をしてから、
まどかの正面に立った。

 そして、リインは、まどかを、ぎゅっと強く、
だけど、とても、やさしく抱きしめた。

 リインの腕の中の、まどかは、じっとして、
おとなしくしている。

 まどかは、自分の中の、膨大な魔力の大半が、
リインの中へと、吸い込まれて行くのを、感じた。

 しばらくすると、リインが、まどかの頭を、
右手で、やさしくなでた。

 まどかは、自分の体が、『高次元生命体』から、
『普通の魔法少女』へと、変化していくのが、
分かった。

 まどかの体から、手を放すリイン。

 次に、リインは、さやかの前に立った。

「決意は、変わりませんね?」

 さやかの、意思を再度、確認するリイン。

「もちろん! 何時でも、どうぞ!」

 即答するさやか。

「では、―― ユニゾン・イン!!」

 今度は、さやかを抱きしめるリイン。

 すると、さやかと、リインフォースの体が
1つに重なり、溶け合っていく。

 1つになった2人の体は、神々しい七色の光を放ちながら、
外見が変化していく。

「さ、さやかちゃん?」

 良く知る人の変身に、驚くまどか。

「ほほう、これはまた、――」

 サリーも目を細める。

 ――それは、――新たなる宇宙の守護者の誕生だった。――

「ふむ?

 祝福の女神 = リイン・さやか ――――

 とでも、呼ぶべきかの?」

 さやかと、リインがユニゾン(融合)した形態に、
適当な名称を付けるサリー。

 そのまんまな気もするが、まどかは、
とても良い名前だと思った。

 ――服装は、ハイパー・アルティメットまどか、と
ほぼ同じデザインだった。

 ――長い髪の毛は、――髪の根元が、青く、
髪の毛の先が、銀色に染まっている。

 ――瞳の色は、さやかと、リインの色が、
混じり合ったような、薄い紫色。

 ――背中から、生えている、巨大な純白の翼。

「さやかちゃん、……すごく綺麗。

 ……本物の、天使様か、女神様みたい」

 まどかが、感想をもらす。

「えへへへへへっ。

 そんなに、褒められると、
ちょっと、照れるなー」

 顔を赤らめるリイン・さやか。

「さやかさん?

 照れてないで、次の工程へ!」

 リイン・さやかの内側の、リインが注意する。

「悪い、悪い、――そうでした。

 じゃあ、皆、すまないけど、
余剰分の魔力の負担をお願い!」

 リイン・さやかの、体から、魔力光が生じて、
周囲に集まった魔法少女達に、魔力が
分割・供給されていった。

 魔力を受け取り、作業を終了した
少女達は、思い思いの場所へと
帰っていく。

「…………じゃあ、そろそろ、まどかも、
………………
 帰るべき時間だよ」

 意を決して、別れを告げる、さやか。

「さやかちゃん、……」

 リイン・さやかを見つめるまどかの
目には涙が光っていた。

「約束、忘れないでね、……」

 リイン・さやかの目からも、
涙があふれる。

「うん、…………うん!」

 何度も、うなずくまどか。

「まどかさん、

 ――あなたが、進む未来に、

   夜天の祝福を!」

 リインも、まどかに、別れを告げる。

「たっしゃで、暮らすのだぞ!

 鹿目まどか!」

 サリーは、まどかを、帰るべき世界へ、
送るため、転移魔法を使用した。

 不可思議な輝きを放つ、サリーの魔法陣。

 最後に、もう一度、さやかが、別れの言葉を送る。――

「バイバイ!! まどか!!」

「さやかちゃん!…………さやかちゃん!!……!!……!!!!!」

 まどかの声は、転移魔法の光に、
飲み込まれ、消えていった。 ――――――

◇ ◇ ◇

 ここは、しばらく前まで、激しい戦闘が、
行われていた、ある宇宙空間。

 次元戦艦ビクトリーの艦体の上で、
ほむら達と、なのは達が、何か作業をしている。

「なあ、あたしら、何で、こんな所で、
修理作業しているんだっけ?」

 杏子が、首を捻りながら、マミに尋ねた。

「あなたが、それを、言いますか?!

 戦闘で、この艦のシステムが故障して、
――リンディ提督は、修理作業は、
――なのはさん達や、管理局の人達がやりますから、――
『あなた達は、ビクトリーの艦内で、休んでて良い』と、
言っていただいたのに!――――

 自分達も、修理を、手伝おうと、言い出したのは、
佐倉さん、――あなたでしょう?!」

 巴マミは、宇宙で無ければ、
口から、火を吐きそうな勢いで、杏子に怒鳴った。

「あー! そうだった! そうだった!
 忘れてたよ。悪い。」

 マミに、誤る杏子。 

「忘れてたよ、じゃないでしょ! あなたは、もう!」

 そう、ビクトリーは、――帰還するのに必要な、
虚数空間センサーなどが、先の戦闘で、損傷し、――
修理しないと、時空管理局にも、ほむら達の世界にも、
行けない状態だったのである。