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　ティアナが、クロスミラージュの
機能チェックをしようかと、考えた、その時、――

「ウ・ウ――――――ッ！！」

「きゃああああああああ？！」

　樹氷の影から飛び出した、伝説の『雪男』にも似た、真っ白な、
毛むくじゃらの、――人型の怪物が、ティアナに襲い掛かった！！

「グオオオオゥ！」

「ぐっ！　うう、……」

　怪物は、ティアナの首を両手で締め上げ、
物凄いチカラをこめた。

　徐々に、ティアナの体が、持ち上げられ、
その両足が、宙に浮く。

　じたばたと、もがき、怪物の腕を、足で蹴り上げる
ティアナ。

　だが、怪物の手は、緩むどころか、さらに、
ティアナの喉に食い込む！

「ううっ。は、放して！　ぐうううううう！」

　話して、分かるような、相手では無いだろうが、
ティアナは、思わず、そう言っていた。

「は、放して、くれないのなら！」

　ティアナは、クロスミラージュの銃口を、
なんとか、毛だらけの怪物の胸に、向けて、
その引き金を、――

　だが、怪物に、さらに強いチカラで喉を絞められて、
ティアナの意識は、――そこで、
闇に飲み込まれてしまった。