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緊急指令!鹿目まどかを抹殺せよ! リリカル☆マギカ(第2話

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「お母さん――?」

 『さやか』は、急に、不安になった。

 いつもは、頼もしい、自分の母親の背中が、
今は、なんだか、とっても、小さく見える。

 母親は――泣いているようだった。

「ずっと………………

 ずっと――見守ってて、くれたんだね――

 さやかちゃん…………

 あの日の、約束通りに、…………

 私が――――

 私が、幸せになれるかどうか、ちゃんと見ててくれたんだね。

 私…………私…………

 うっ……うう……うううううっ!」

 まどかの、目から、大粒の涙が、流れ落ちる。 

「お母さん?――

 お母さん!

 どうしたの?

 どっか、痛いの?――」

 母親を、心配して尋ねる、『さやか』。

「あ――

 ごめんね、びっくりさせて――

 別に痛い訳じゃないの。

 ただ…………

 ただ、友達の優しさが――――うれしくて。

 それが、心に、あたたかくて――」

 涙の、止まらぬまま、娘に、笑顔を見せる、まどか。

「うん?…………えっ? 何?

 ……………………うん――――

 えっ………………うん、うん――。

 ……………… 」

 小さな『さやか』は、――例の『リイン・さやか』が、
いるらしい空間を、見つめて、――

 何かを、聞いている――かのようだ。

「???

 どうしたの、さやかちゃん?

 今度は、何が?」

 まどかは、不思議に思って――娘のさやかに、尋ねてみた。

「ええっとね……。

 あそこの、きれいな、お姉さんが、こう言ってるの――

 『もうじき、やる仕事が――無くなるから――

 そうしたら――あたしも――そっちの世界で――

 人間として――生まれ変わるから――

 もし運良く、出会えたら――

 また、あたしの友達になってね――

 あなたを愛する――さやかより』だって――」

 『リイン・さやか』の意思を、通訳する『さやか』。

「…………………………

 ――バカ。

 さやかちゃんの――バカァ!

 バカバカバカ!!

 それって――どんな小さな確率なの?!

 ――すごく広い、この星の上で――出会える訳

 ――無いじゃない!!!」

 まどかは、泣きながら、怒鳴っていた。

「お母さん?

 さやかは、バカじゃないよ!」

 『さやか』が、ふくれっ面で、母親に抗議する。

「ああーっ?

 ど、どっちも、さやかちゃん、だから、

 ややっこしいよね!
 
 ごめんね、今のは――さやかちゃんの事だけど、

 ――さやかちゃんの事じゃなくって!

 ――あれ?」

 自分で、自分の言っている事が、分からなくなり、
首を傾げる、まどか。

 いつの間にか、泣き止んでいる。

「と、とにかく――あなたの事じゃないの!」

「???」

 訳が、分からず、キョトンとしている『さやか』。

 ――と、そこへ。

「でもさ――

 希望を持つ事は――

 絶対、間違っていない――

 そう言ったのは――まどか――

 お前だぜ」

 まどかに、語りかける、杏子。

「そうね――

 希望を胸に――

 信じ続けたなら――

 いつか、きっと――

 きっと、また会えるわ」

 ほむらも、杏子に同意する。

「ほむらちゃん――

 杏子ちゃん――

 ………………

 そうだね――

 そうかも、知れない――

 ――――

 私も、信じてみるよ。

 大切な友達――さやかちゃんと、

 ――また、いつか

 出会える事を!

 …………

 また、会えるよね!!!」

 友達に、話しかける、まどか。

 ………………

 ――空の、向こう側で――

 誰かが、笑った気がした――
 
☆ ☆ ☆

 長い、とても長い――

 気の遠くなるような――

 長き、時の流れの果てに――

 ついに、約束の日が、やってきた。

 ――彼女ら、5人は、この星の上で、

 再び、出会い、お互いを『最高の友達』と

 呼べるようになる。

 ――時には、感情的になって、互いに、

 激しくぶつかり合う事も、有るかも、知れない。

 だけど、それでも、痛みを乗り越え――

 悲しみも、喜びも、みんなで、わかち合い――
 
 ――時が過ぎれば、

 『ああ、そんな事もあったね』と、友達と

 笑いあいながら、――『寂しがりやの先輩』が

 作ってくれた、おいしいケーキに、みんなが、

 舌鼓を打つだろう。

 ――――

 もしかしたら、再び、絶望の闇が、彼女らに、
襲いかかってくるかも、知れない。

 だが、少女達は、――

 たとえ、何が有っても、――

 友と、一緒に、走り続ける。

 『希望』と言う名の、光の道を――

◇ ◇ ◇

 ふと――少女は、親友に尋ねた。

「ね、私――今、幸せに見える?

 ……………………

 それは、とっても嬉しいな」

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 出会いと、別れを、いくつも繰り返しながら、
人は、未来へと進んでいく。

 ――が、人は、時として、過去を振り返る、
生き物でもある。

 何かに苦しんだ記憶も――

 楽しかった時の記憶も――

 自己が経験した全てを含めて――

 『思い出』の中には、――

 その人だけの、大切な輝きがあるからだ。

 ――人は、今に立ち止まっては、生きていけない。

 ――だからこそ、心の中の、大切な、『思い出』を
抱きしめながら、人は、未来へと向かうのだ。

 そして、長き時の流れの中で、
人は、――いつかは、死ぬ。

 この宇宙に生まれた者は、いつか必ず、
滅びの時を迎える。

 だが『真の魔法少女』は――決して死ぬ事は無い。

 彼女たちは、我々の心の中で、永遠に生き続ける。


 《永遠の魔法少女 編》 完