譲れないモノ
人の信用とは日々の積み重ねから出来上がる物だとアルヴィンは知っている。
ついでに自分が共に旅をする仲間たちから疑いの目を向けられているという事も。
だがまぁ、それは仕方のない事だろう。
アルヴィン自信身に覚えのある事ばかりであるし、むしろこれでも疑わないとなればお前らどんだけお人好しなんだと逆に心配なる。
そんな自分のおもな見張りはというとパーティ随一のお人好しでありブレインでもあるジュード・マティスだ。
まぁ普段からのお人好しップリと父親譲りの優等生気質を思えばホントに真面目な奴だなとむしろ苦笑してしまうのだが、なぜかシャン・ドゥだけはジュードではなくエリーゼが行動を共にすることが多かった。
いや、シャン・ドゥというよりは以前アルヴィンの母レティシャが住んでいた家というべきか。
今は動く事も出来ずただ人形のように日々を過ごすイスラに譲り渡した家であるが、ジュードであれば真っ先に良く分からない責任感を感じて彼女の容体を見るため頻繁に足を運ぶだろうと思っていた為アルヴィンとしては少々意外に思える行動だった。