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譲れないモノ

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「で、頼れるオニーサンキャラとしてはジュードクンが何を悩んでるのか知りたいなあと思ったわけだ」
「頼れるお兄さんって」
「え?頼りになるだろ、俺」
「まぁ、頼りにしてるけどさぁ」
言って苦笑しながら相槌を打つジュードの素直さに苦い笑いがこみあげそうになったアルヴィンだったが、すぐにまた顔をしかめたジュードにつられ口を閉ざすこととなった。
「別に僕は、まぁアルヴィンを見張ってるわけだけどさ。だってアルヴィンってば目を離すと今度こそ帰って来てくれなさそうな気がするんだもん」
「ホント、俺って信用ねーなぁ」
「だってアルヴィンだからね、ただ…僕はアルヴィンが思ってくれてるほどイイ人じゃないよ。」
ジュードが良い奴でないとすれば世の中にはどれだけの悪人が転がっているというのだろうか、それこそ隣に座っている奴でさえ信用ならないと言う世の中になりかねない。
するとジュードがクスリと肩をすくめて笑った、どうも自分はよほど呆けた表情をしていたらしいとアルヴィンはぽかんとあけてしまった口を慌てて引き締める。
「あんまり、人におおっぴらに言える理由じゃないから、さ…」
「おおっぴらに言えないって」
すると今度こそ、ジュードはこれまでに一度も見た事のないような自嘲と苦渋を噛みしめたような笑みを浮かべ、やがてポツリと一言零した。

「ダメ、なんだ…」

「駄目?」
駄目とはどういう意味だろうかと首をかしげる。
アルヴィンの知る限りジュードとイスラの間に"駄目"という言葉が当てはまるような状況は思い当たらなかった。
尤もイスラに意識があったとすればイスラの方がジュードに会う事を拒むような気はするが。
「ボクは」
アルヴィンが考え込んでいるとジュードの方でも整理がついたのか再び口を開いた。
「見習いだけど、医学生だから…ボクは、どうしても彼女を、許せない…ッ」
「許せないって…まさか、俺のおふくろの話か?」
「…たとえ、裏稼業だとしても医者は医者だ…イスラさんが凄く苦労したのは分かってる、アルクノアと縁を切りたかったのも分かる、僕たちが彼女を追い詰めてしまったのが原因だって言うのも分かってる、でも…それでも彼女は医者だ!何もできない患者を自分が楽になりたいからって毒を処方するなんて…最低だ。」

作品名:譲れないモノ 作家名:北山紫明