この笑顔を忘れない
全員が起床し、ダイニングに集まった。
全員が席に着いていて、その目の前には綺麗に食事が並んでいる。
ただ一人の席だけが空いていた。
「なぁ~サンジ、俺は限界だ!!」
「駄目だ待ってろ。」
「サンジ君、ご飯だけでも食べてから待ちましょうよ。」
「ナミさん、すいません今日ばっかりは譲れないんです。」
「確かに食事は全員でするものだけど、」
「いや、そうじゃないんですよ…」
「サンジ君?」
その時ダイニングの扉が勢いよく開いた。
そしてその扉を開けたのはウソップだった。
ウソップは初めはいつものように冗談を言って食卓に加わろうとしたが、
全員目を合わせず、返事を返さなかった。
事前にゾロから全員が忠告を受けていた。
謝らなければ戻ることは許さないと。
それは厳しいことではなく、全員がゾロが正しいと思えるものだった。
謝罪以外の言葉を聞こえないフリをするのにも限界がきたそのとき、
ウソップは泣きながら全員に謝罪した。
それはカッコイイものではなかったけれど、ウソップらしいものだった。
ウソップらしくカッコイイものだった。
クルー達は笑顔でウソップを迎え入れた。
「さっさと座ればがやろ゛ーーーー!!!!!」
「座れ。」
「待ってたぜ。」
「ご飯にしましょう。」
「うううう゛ぞっぷーー!!」
「うふふ。」
「スーーーーパーーーだぜぇ!!!!」
「おう゛ーーーーー!!!!!」
全員が喜びの声を上げた。
「サンジーーーーー飯だぁーーーー!!!!」
「よし、食え!!!!!」
「「「「「「いただきまーーーーす!!!」」」」」」
待っていた仲間が戻った喜びと新しい船。
そして待ちに待った朝ご飯に全員が飛びついた。
全員が心からの笑顔をこぼしながら料理を口に運んでいく。
だが、その勢いはすぐに止むことになった。
ゾロの手が止まり、ナミの手が止まる。
ロビン、フランキー、チョッパー、ルフィと次々と手が止まった。