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この笑顔を忘れない

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砲撃網から抜けたサニー号ではルフィ以外の全員が後方を見つめていた。
今さっきまで居た場所では今でも砲撃音が鳴り響いている。
一つまた一つと海軍の船が燃えていく。


「サンジーーーー!!!!」

チョッパーが泣きながらサンジの名前を叫び続けた。
それを見ていたウソップはフランキーに殴りかかった。

「なんで船を出した!!!!」

「分かってやれ。」

「お前は俺たちとはまだ仲間になって時間がたってないからっ

「やめろウソップ。」

「うるせーっゾロ!!!!!!」

「俺たちはっ俺たちはっ・・・
 どうして気づいてやれなかったんだ!!!!!!!」

「「「「・・・・・・」」」」

「あいつは飯が美味いって言うとそれは嬉しそうに笑うんだ!!!!
 あいつはいつだって自分の作った料理に自信持ってて残すなんて許さねぇ!!!!
 あいつは…「不味いか」なんて笑うやつじゃねーんだよっっっ!!!!!!」

「ウソップ…全員分かってる。」

「俺たちは気づいてやれなかった・・・・」

ウソップはとうとう泣き崩れてしまった。
ゾロは立ちすくみ、ナミやチョッパーは泣いている。
ルフィはただただ前の海を見つめ、フランキーは俯いている。

全員が辛かった。
これで良かったんだと思う。
だが、これしか方法が無かったということが辛かった。

大切な仲間が苦しんでいるのに、船から降ろしてやることしか出来なかった。
共に航海を続けたくてもそれがサンジには辛いことになる。
それを自分たちにはどうすることも出来ないのが辛かった。
あんな顔はもう二度とさせたくなかった。

確かに永遠の別れというわけではない。再会を誓った。
だが、それだけでは気持ちが切り替わりはしなかった。


「おでは…おでは医者なのに、
 おではサンジに打ち明けられなきゃ分がらなかっだ・・・・
 打ち明けられてもおでには治すすべがながっだ・・・・おでは医者なのに・・・・!!」

「お前は悪かねぇ。」

「・・・・でもおで・・」

「俺は食料庫で泣いてるアイツを見た。だが、何も出来なかった。」

「・・・・・ゾロ・・」


全員がサンジのことを思い出していた。
こうなる前に自分に出来ることがあったんじゃないか、
全員の心に後悔の気持ちが渦巻き始めようとしたとき、ルフィが口を開いた。


「お前等は何も悪くないさ。」

進み続けてる船の先、
進む先の海だけを見続けながらルフィは言った。

「お前等は悪くない。サンジも悪くない。
ただ、サンジの飯を食うにはまだまだだったんだ。」

「ルフィ・・・・」

「強くなるんだ。
サンジの飯を食う資格を取るために。」


「「「「・・・・」」」」

「サンジは海賊王のコックだ。だから、俺は海賊王になる。
全員前を見ろ。お前等は全員海賊王のクルーになるんだ。」


作品名:この笑顔を忘れない 作家名:おこた