この笑顔を忘れない
「ルフィ・・・・ゾロ・・・・」
「ゾロっっ!!大丈夫かっっ!!!」
チョッパーがすぐに駆け寄る。
チョッパーに抱き起こされながらゾロはルフィを睨む。
「てめぇ・・・・」
「分かるまで蹴るぞ。」
「上等じゃねぇか・・!!!!!」
そしてそのまま甲板でルフィとゾロの喧嘩が始まってしまった。
誰も止められなかった。
全員が二人を追って甲板へ出た。
そしてやめろという声をかけるウソップやチョッパーやフランキーを止めて、
ナミが静かにルフィとゾロの間に割って入っていった。
危ねぇと追おうとするウソップをロビンが止める。
ナミは今にも蹴りかかろうとするルフィと切りかかろうとするゾロの間に立ち二人を殴り飛ばした。
「ナミ・・・・・」
ナミは泣いていた。
両の手の項からは血が出ていた。
「ナミ・・・てめぇ・・」
ルフィの怒りは沈んでいたが、ゾロの怒りは沈みそうになかった。
「いいかげんにしてっっ!!!!!」
「関係ねぇすっこんでろ!!」
「関係ならあるわよ!!大アリよ!!! まだ食事中でしょうっっ!!!!!!!」
「・・・・!!!」
「悪かったナミ。」
ルフィが誤った。
ゾロはナミから顔を背けた。
頭では分かっているが心と体が言うことをきかないのだ。
そのゾロの様子にルフィはまたもや怒りがこみ上げてくる。
そうして今度は右手で強烈なパンチを繰り出す。
ふっとんだゾロにルフィは怒鳴りつけた。
「ふざけんなっっっ!!!!!」
「ルフィっっ!!!」
「…ナミ、分かってる案心しろ。
ゾロ、今のはサンジの右手のパンチだぞ。」
「・・・・・・。」
「ゾロよく聞け、
お前等もよく聞けよ、いいか、
前へ進むことと忘れることは違う!!!!!!!」
「・・・・・・っ!!!」
「サンジの事を忘れるな!!!!!
サンジの事を背負おうとするなっ!!!
サンジの事を避けるんじゃねぇっ!!!!!
サンジから逃げるんじゃねぇっっっ!!!!」
はぁはぁはぁ・・・
「・・・・・・悪かった。」
「分かったならいい。」
「・・・あぁ。」
「飯食うぞ。」
「あぁ。」
ルフィは座りこんでいたゾロに手を差し出す。
その手を取ってゾロが立ち上がる。
ルフィはナミの方を振り返り、
いつのものようにクルー達が安心する笑顔を向けた。
「飯の時間だぁーーーーーーー!!!!!」