この笑顔を忘れない
全てが夢だったのかと思う。
夢にしては随分リアルで、
そこで気付く自分の体に残る香り・・・
サンジのタバコの香り。
「・・・サンジ」
「ゾローーーーーーーーー!!!!!」
「・・・・?」
周りを見渡せば昨日芝生で寝ていた奴が一人も居なかった。
「おーーーーーーーいゾローー!!! 飯だぞーーーっ!!!!!」
遠くでルフィの声がする。
そして伸びてきた腕に捕まり無理矢理ダイニングへと連れて行かれる。
するとそこには、以前のような綺麗に盛り付けされた食事が並んでいた。
「ゾロっっ落ち着いて聞けっ!!! サンジが戻ってきたんだっっ!!!!!」
夢じゃなかった・・・
「ウソップ、落ち着け。」
「ゾローーー!!!!早く座れーーーーーーっっ!!!!!」
「ゾロ早くっ」
ゾロ以外の全員が座っていた。
そしてゾロが席に着くと。
キッチンからサンジがメイン料理を持ってきた。
「・・・・遅せぇぞクソマリモ。」
「早く食わせろ。」
「ははっムカつく野郎だ。」
「サンジサンジっ早く!!!」
「よし、いいぞ!!! 召し上がれ。」
「「「「「いっただきまーーーーーーす!!!!!!」」」」」
それはまさしくサンジの料理でサンジの味だった。
あの日のように手が止まることはなかった。
「「「「「美味ーーーーーい!!!!!!!!!!!」」」」」
「へへっ沢山食え!!!!」
笑顔が溢れていた。
サンジはその光景を絶対に忘れまいと目に焼き付ける。
全員の心からの笑顔。
サンジが生み出した笑顔。
「おいチョッパー泣くんじゃねぇよ。」
「泣いてね゛ぇ!!」
「ゆっくり食べろ。」
「う゛んっっ!!!!!!」
「おいルフィ俺の取るなーーーーー!!!!!!」
「ルフィ、人のもん取るな!!!追加作るから。
ウソップ、お前ちゃんと死守しやがれっっ!!!!!」
ったくゆっくり見てもいられねぇってか。
サンジは追加料理を作りだす。
サンジは幸せだった。
「なぁ、美味いか?」
「「「「「うんめーーーーーーーー!!!!!!!」」」」」