二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

この笑顔を忘れない

INDEX|32ページ/37ページ|

次のページ前のページ
 





もう一度この船に戻ってこれたこと。
もう一度この船で料理を作れたこと。
もう一度自分の料理を食べさせられたこと。
もう一度自分の料理で仲間を笑顔に出来たこと。


愛されたこと。


俺は今、世界一幸せだ。


サンジはゆっくり目を閉じる。

今度は大丈夫。
お前等はちゃんと笑ってる。

とびきりの笑顔で笑ってる。

ゾロ、お前も笑ってる。


良かった―――




騒々しい食事が終わった。
朝ご飯といってもお昼に近かったが、
それにしたって食べ過ぎた。

ルフィの腹は久しぶりにまんまるに膨れている。
ほかのクルー達も動けないほど食べていた。
そんな大満足なクルーたちを睡魔が襲い、一人また一人と眠りについていった。

サンジは起こさないように静かにダイニングを後にする。
甲板にでて、大きく深呼吸する。

「美味いな。」

ガタタッ

「・・・・サンジ!!」

「なぁゾロ、俺はすげぇ幸せだ。」

「・・・サンジ、」

「俺は今最高の気分だ。」

「・・・・・・・っ」


ゾロは言葉が出なかった。
襲ってきた睡魔に負けてはいけない気がして、部屋を出たサンジを追った。
サンジの表情も言葉も本心だとわかる。
すごく幸せそうでだけど、何故だかゾロには別れの言葉に聞こえた。
そんなはずはないのに・・・

サンジの傍に近くに行きたいのに体が思うように動かない。
名前を叫びたいのに声が出ない。

(・・・・・・サンジっっ!!!!!!それ以上しゃべるなっ!!!!!)



「俺は世界一幸せなコックだ!!!
オールブルーを見つけたコックが居るかもしれねぇ。
だが、俺はそのコックよりも幸せな自信がある。」


「まっ・・・・・・・て・・!!!!」



「俺はこの船に乗れて本当に良かった。
お前等と仲間になれて、一緒に航海が出来て良かった。」


「・・・・・・・さ・・・・ん・!!!」

「ルフィに出会えて良かった。
ナミさんに出会えて良かった。ウソップに出会えて良かった。
チョッパーに出会えて良かった。ロビンちゃんに出会えて良かった。
ビビちゃん、カルーにメリーにサニー、フランキーに出会えて良かった。」




サンジがふわりと微笑む。




「・・・・サ――

「ゾロ、お前に出会えて良かった。」


サンジが両手を広げて満面の笑顔を向ける。
その笑顔が語っていた。
後悔は無いと。

幸せだと。



ありがとな―――
笑ってろよ、ずっと―――




作品名:この笑顔を忘れない 作家名:おこた