この笑顔を忘れない
「なぁルフィ、お前しか居ない。
お前しかあいつを海賊王のコックにできねぇ。」
「・・・ウソップ・・?」
「俺は勇敢なる海の戦士になる。
俺はサンジを勇敢なる海の戦士のコックにする。」
「ウソップ・・・・」
「・・・おでも・・おでも万能薬になる。世界一の医者になるぞっっ!!!
サンジをサンジを世界一の医者のコックにするんだっっ!!」
「チョッパー・・・」
「私も真実を見つけ出す。そして優秀な考古学者のコックさんにするわ。」
「ロビン・・・」
「俺はこの船をラフテルまで連れてく。
そんなスーパーな船のコックにしてやろうじぁねぇかぁ!!!」
「フランキー・・・」
「私もラブーンに再会して自慢しましょう。
そんな素敵なコックさんのお仲間になれたことを。」
「ブルック・・・」
「・・・私も海図を描くわ。世界中の海図を描いてみせる。
そして、サンジ君を世界一美人で優秀な航海士のコックにする。」
「ナミ・・・」
「俺は世界一の剣豪になる。」
「ゾロ・・・・・」
「ルフィ、お前は――
「あぁ、・・・・・俺は海賊王になる!!!!!」
「俺達の仲間は一人も減っちゃいねぇ。」
「あぁ。」
「ちゃんと俺達の中で生きてる。」
「あぁ。」
目を閉じる。
そこには笑顔で「美味いか?」と聞いてくるサンジが居る。
確かに、サンジは生きてる。
生き続ける。
俺達の中で。
この笑顔だ。
最高のこの笑顔。
あぁ絶対に、
この笑顔を忘れない。
オールブルーと呼ばれる海がある。
東西南北全ての海の魚が泳ぎ、あらゆる海の食材が揃うと言われる幻の海。
その海にはどんな波に襲われても沈まない墓がある。
その墓は世界一のコックの墓。
そして、その墓の前で泣く者は一人も居ない。
完