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【どうぶつの森】さくら珈琲

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「あたしはヴィスくんと帰るから、お二人さんはゆっくりどうぞぉ!」

 予想通り、とまとはヴィスを連れて先に帰っていった。やっぱりこうなると思っていた。
 もはや突っ込む気も追いかける気もなかったので、みしらぬネコさんとのんびり帰ることにした。

「さくら、ずいぶん辛そうだけど大丈夫?」
―――眠くてね……。

 まだ朝日は見えないが、真っ暗だった夜空がどんどん白んできた。今から寝たら、今日起きるのは昼過ぎになってしまうかもしれないな。

「しかしさくらが男の子と同居するなんてなぁ……お父さんかなしい!」

 みしらぬネコさんがハンカチを噛む真似をしながらふざけて言う。

―――いや、誰なのそれ。
「まぁ何も起きないことを祈るしかないかなぁ〜」

 なんだそれ。本当にわたしの父親か。
 そして、みしらぬネコさんはわたしの顔を少し心配そうに覗き込みながら言った。

「でも何もないなんて言い切れないよー?
 あの子がさぁ、さくらのこと好きになったらどうするの?」

 思わず、一瞬眠気が吹っ飛んでしまった。
 何を言ってるんだ、このネコは。
 その目は明らかに私の反応を伺っている顔だ。

―――まさか。今日会ったばかりだよ。っていうか、とまとがあれだけラブアピールしてるんだから、そんなことないでしょ。
「そうかなぁ。だって、オレのことライバル視してる気がしてならないんだよねぇ。あはは!」
―――ラ、ライバル?
「そうそう、オレもがんばらないとなー!」

 頑張るって、何を?
 聞こうとしたら、「ほんじゃま、まったね〜! おやすみ!」と手を振って去っていってしまった。逃げたな、と思うけど、わたしの家に着いてしまったのだから仕方ない。
 家に入るとわたしはリビングのソファに倒れこみそのままぐっすりと眠った。
 もう絶対、昼まで起きない。

……つもりだったのに。

「さくら」

 名前を呼ばれ、目を開ける。
 変な夢だ。魚がたくさん目の前を跳ねている。
……魚!?

「おかず、釣ってきた」

ヴィスが魚を抱えて目の前に立っていた。

―――……ヴィス、今何時?
「午前八時ちょっと前」

 もはや嫌がらせなのではないか、と思ってしまったが、ヴィスはそんなつもりではないようだ。眠気でぼんやりとした頭で礼を言うとヴィスは嬉しそうな表情になった。まぁ、いいか。 気づけばソファで寝ていた体に毛布がかけてあるし、何より釣った収穫をわたしに見せたいなんて、彼もかわいいところがあるじゃないか。

―――冷蔵庫いれといて。わたしもう少し寝るから、起きたら……
「朝ごはんは?」


 いつからわたしは、みんなのお母さんになっていたんだろう……。