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灼熱に咲く華~光輝なる翡翠

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どこまでも続く砂の大地。

煌々と輝く太陽は、焼けるほどの熱を地上に送り、乾いた大地を照らす。

砂の大地に覆われた国。

太陽と星の神々によって守られてきた王国。

そこに、太陽の化身とされた一人の王がいた。王は国を光ある先へと導く。

灼熱に抱かれながらも豊穣を約束された神に愛された王国。
王国を導たる王を。
そして王国を護る者が存在した。

彼らは天上に御座す神々を祀り、祈りを捧げる存在。
その中心たる人物を星の祈りと呼んだ。
天上の神に愛され、その寵愛を持って王国を護り続ける。

相反する二つの神により古より繁栄してきた王国。

だが、翡翠の瞳を持つ王と彼に仕える星の祈りが惹かれ合ったことですべての歯車が崩れ始める。

それは定めであるのか。それとも――。

幼き王子が望んだ小さな願い。
それがすべての始まりだったのかもしれない。











長く続く列柱廊。
刻まれた模様は、砂の大地を生き抜く植物の力強い姿であった。
さらさらと響き続けるのは水音である。

ジェレミアは震える肢体を止められなかった。

ここは、王国と共に生まれ、共に生き続ける巫女が住む神殿。
月の神殿とも言われるその場所は、星の祈りが住まう大神殿と対なる場所に存在するが、

何人も決して近づくことはおろか、目にすることも出来ぬ幻の神殿とされる。

衛兵に案内された金と銀の装飾で彩られた柱の道を抜けた先、そこにあったのは、緑の楽園である。
目の前には一面に広がる聖池。

星の祈りの住まう神殿にもあるが、大きさも流れる水の清らかさも何もかもが異なっていた。
その池のふちに立つのは白いローブに身を包む長い若葉色をした髪の女。
彼女は、中庭を見下ろし、微かに頬笑みを浮かべた。

「――来たか、ジェレミア」

背を向けたまま月の祈りが囁く。
ジェレミアはすぐさまその場に膝を折り口上を述べる。
だが、それが終わるよりも早く巫女が囁きを告げる。
ジェレミアは驚きに目を見開いた――。