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灼熱に咲く華~光輝なる翡翠

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続々と兵士たちが帰還する王都は騒めきに溢れていた。
街角で傷ついた兵たちを抱擁で迎えている様子を王宮の一角から見つめる者がいた。
白い純白のレースを頭から被った女が一人。その下から覗く長い黄緑色の髪が通り抜ける風に揺れる。

月の守りは決して人の目に触れぬ高潔な存在。
神官たちにより行われている清めを遠く離れた王宮の一室で見守る。

「――本当に、よろしいのですか。ルルーシュ様をお一人にして」

側に控えるジェレミアが問いかけるが返ってきたのは軽やかな笑い声のみである。

「何だ、私の神托が不服とでも言いたいのか?」

「いいえ!!そう言うわけでは……。ただ……」

言い淀むジェレミアを見据え、月の守りは微笑んだ。
それはまさしく慈愛に満ちた巫女の名にふさわしいもの。

「なに、あの王が側にいれば衛兵など必要ないだろう。
何よりルルーシュは天上の神に愛された身――星の祈りなのだから。
神殿があいつを護るさ。それに今日ぐらいは神々とて許して下さるだろう」

――太陽の加護を受けた翡翠の王が生まれた日なのだから。

月の守りの囁きは吹き抜けた風の中に消えていった。






end