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ゼロス×リナ短編小説集

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闇を思う。

リナ→ゼロス
今、あんたは何をしてるのか?
旅の途中で、空を見上げながら思っているわ。
ヘンね、あたし。
あんたのことをこんなにも考えてしまうなんて。

どうせ、あんたはあんたのボスに命令されたロクでもないことを、まるで寸分たがわない機会のように遂行しているに決まってる。
忙しいって愚痴りながらも。
絶対そう。
間違いない。
確信できるもの。

そうね。
そんな黒いあんたには青い空の下ではなく、満天の星たちが輝く夜が似合っている。
月を見上げて、あんたの錫杖を持って抜け目ないその笑みのまま振り返る姿が、この夜に想像できる。
でもね、その笑みの奥に光るしたたかな野心と。
旅の途中に、魔族のあんたが見せたうそだか本当だかわからない、あたしへのほんの小さな優しさ。
それはあんたの目的のために必要だった見せ掛けの優しさ?
どうしても気になるわ。
引っかかる。
今まで気がつかなかった。

心はもう決まっているの。
あたし、あんたに会いに行く。
そして、この気持ち確かめたい。

この満天の星空の下走って、目指すのはあんたのいるかもしれない郡狼の島。
あたし振り返らない。

あんたの姿を見つけたら、また飛んでいって首を絞めてやるんだから(笑
覚悟してなさいよ!

でも、その場所はどこ?
果たしてたどり着けるのかしら?
あんたは意地悪だから、どこにその場所があるのか、あたしに教えてくれなかった。
ああ。
あんたのいる場所までたどり着ける汽車か馬車があればいいわね。
そうしたら、あんたのいる場所までの風景を心に留めておくわ。

星たちは冷たい空気によく冴えて輝く。
あたしの吐く息も白い。
夜は流れ、そしてふけゆく。
きっと・・・あたし、あんたに近づいている気がする。
闇の先にそっと気配を感じるから。

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リナ→ゼロスだったら。という設定で、リナの独り言の短文を書いてみました。
公式でゼロスがリナに気があるのなら、リナはゼロスに対してすごくツンデレのような感じがするんですが、
もし、彼女のほうがゼロスのことを好きだったらどんな感じなのかな?と思ったのです。H24.3.16