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【Livly】誰も知らない物語

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サファイア


殺すのはいつだって出来る。
それなら、このリヴリーを利用して、体が回復してからじっくりその血肉を頂こう。
少しでも不信な行動を見せたら、あの小さな体を貫く。
そのつもりだった。
しかし、ルチルは懸命にジョロウグモを『治療』した。
薬草からつくる薬は、治療の技ほど覿面な効果を見せるわけではないが、ゆっくりとその傷を癒していった。
それに余計、ジョロウグモは戸惑った。

何しろ、優しくされたことなんて、ないのだから。

しかし、ただ一つジョロウグモには気になることがある。
何日かに一晩、ルチルは島をこっそり抜け出していく。
ジョロウグモが寝てからを見計らっているのだろうが、生憎夜行性の彼女だ。わずかな物音にもすぐに気づく。
帰ってくると、両手にたくさんの虫を抱えている。
餌を買いにいっているのだろうか、しかし、ルチルの体にはよく傷が出来ていた。