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【Livly】誰も知らない物語

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黄色い朝に


黄色いプリミティブトビネの島には、しばしの沈黙が流れます。
外はだいぶ白んできました。
緑色の小さなピグミーは、赤くなった目をこすりながら言いました。

「これで終わりだ。
 その後『モノクロ』ってチームはその後すぐに迷惑行為を訴えられて解散になり、
 モンスターもいなくなりでリヴリーアイランドは平和めでたしめでたしってわけさ。」

「・・・そのユキムグリは、どうなったの?」

「さあな」、とプリミティブトビネは短く言います。
その返事にピグミーはむっとしたようでした。

「さあな、はないでしょ!教えてよ!」

「お前はどうなったと思うんだよ」

ピグミーは言葉に詰まりました。
プリミティブトビネは言いました。

「いくらモンスターになっていたからとは言え、自分の恩人を自分の手で殺したんだ。
 一生罪を抱えて生きていくんだ。その点、ルチルも残酷なことをしたもんだな。
 生を押し付けて。自分は楽になって。」

「そんな・・・」

身も蓋もない言い方に、ピグミーは何も言えなくなりました。

「ある奴は自殺した、とも言うし、ある奴はまたモンスターに戻った、とも言うだろう。
 こんなおとぎ話の結末なんてどうでもいいんだよ」

ずいぶん投げやりな終わり方です。言い返そうとするピグミーを寝かしつけ、彼もまた横になりました。
それでもまだ目が冴えているピグミーは言いました。

「ノワール、あれ、本当の話なんでしょう?」

彼は何も言いません。

「ねえ、だから僕を引き取ったときルチルって名付けたんでしょう」

ノワールは黙ったままでした。
それでも、確信を持ってルチルは言いました。

「ノワールが黄色いのもそのため?ほんとはルチルのこと大好きだったの?ねえ」

「うるせえ、さっさと寝ろ」

まだ文句を垂れるルチルを一回小突くと、やがて静かな寝息が聞こえてきました。
ノワールはまだ昔話の世界に浸っていました。

そのとき、来訪者の音がしました。

「・・・久しぶりだな」

珍しく、ノワールの口元に笑みが浮かびます。

「今日、お前の話をしてたんだ」

もう一度、昔話をしようか、とその青いユキムグリに言います。
彼女の瞳は深い悲しみを称えているようにも、懐かしさを込めているようにも見えました。

「あのピグミーはどなた?」

「ああ、放置リヴリーの面倒を見てるんだ」

「・・・そっくりね」

その言葉に、ノワールは意地悪げに笑い返します。

「全くだな」

二人はまた、思い出話を始めました。
今はもう、誰も知らない物語。

青いユキムグリは眼を細めて、朝日を見つめました。
愛しくて、懐かしい色。
美しい、黄色い朝が、また始まりました。