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灯千鶴/加築せらの
灯千鶴/加築せらの
novelistID. 2063
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ハツコイグラデーション2

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自販機の常夜灯に照らされて見えていたはずの駆の姿が視界から消えたと思ったら、唇にほんのり温かい感触があって。
そう言えば両肩にも、少し体重が掛かっていました。

状況を全て把握した頃には、また駆の顔が見えていて。

「だから言ったじゃん。誤解するよ、って。
 俺の気持ち組んでくれるのは嬉しいけど、さすがにこんな事されたら気持ち悪いよね?
 優しいところも好きだけど、今の祐介の優しさはちょっと苦しいよ」

だから、変に期待持たせないで。

俺の肩に置いた両手をゆっくりと離して、踵を返す駆。
俺はと言えば、駆にキスされたんだという事実が今頃脳に届いて、燃えるように全身が熱くなってしまって。
背中を向けて歩き出した駆に、今引き留めないと、言いたい言葉を今伝えないと二度と駆と本音で話せなくなるって直感して、ぼーっとした頭で距離を詰めて、腕を掴んで。

「わ、え、祐介?」
「……、かけ、る―――っ……」

引き留めたはいいけど、沸騰した頭で言葉なんて出てくるはずもなかったから。
俺より幾分薄い肩を抱き寄せて、顎に指を掛けて、その唇に喰いついた。


to be continued...



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11.03.25 加築せらの 拝