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一リカって良い響き

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前から、ずっと知ってはいた。
 自分は彼を好きだけど、彼は別の子が好きだったっていう、ただそれだけの話。
 よくある話だっていうのは勿論わかってるし、誰もがみんな両思いになれるなんて事があるはずもない事もちゃんと知っていた。
 けど理屈じゃ言えない部分で、悲しかったりするわけで。
 自分は、彼が好きだった。
 出会った時から思っていたことだ。しかしもしかしたらその気持ちは、外見とかそういうだけの話で、今考えてみるとすごく適当なものだったのかという気もする。
 …好きだったって事には変わらないのだけど。

 思えば初めて好きになったあの時から自分は、自分の恋は実らないと解っていたような気もする。
 遊園地でたまたま出会って、無理矢理家に(って言ったってお店だけど)連れ込んで、話も聞かずにお好み焼きとか食べさせて、勝手についていって。
 会ったときから、自分は彼にずいぶんと破天荒な態度をとっていたように思う。
 あの時は若かった、何て言うほど今も年をとってはいないけど、今の自分にあんな恋愛はできないだろう。
 
 ただ彼が好きで、彼に見てもらいたくて、彼のために何かしたくて、彼となら何でもできる気がして、彼なしでは生きられないとすら思えた。
 なんでもかんでも彼が一番。
 「ダーリン」なんて呼んじゃって、引かれてたのにもちょっと気づいてたけど力押しでいけばいいかなって思ってた。
 そうしたら、いつか絶対彼も振り向いてくれるから。
 根拠も何もないから自信があったわけじゃないし、嫌われるのはすごく怖かったけど、それよりも実行あるのみって、不安でも思ってた。
 
作品名:一リカって良い響き 作家名:かなどめ