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猟師な狼と闘牛士なおばあさん。

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 ショットガン片手に会場に入ると、何故か奴隷の格好をした弟が居た。確か祖父時代の仮装をすると言っていた筈だが、何がどうなってその格好になったのか。
 もしやドイツの趣味なのかとロマーノは疑い、恐る恐る声を掛ける。ショボヴェーンとしていたヴェネチアーノは、「筋肉が足りなかった」とだけ答えた。体系に似合う服を探していた結果の奴隷服。ドイツのムキムキを剥がせてくっつけられればいいのにと思いつつ、同じように細身の自分にも刺さる棘だと肩を叩いて慰めた。
「あ、でも兄ちゃんかっこいいね!」
「だろ?」
 ショットガンを構えてみれば、弟は手を叩いて褒めてくれる。隣のドイツは気難しい顔をしていたものの、一緒に居た日本はヴェネチアーノに続いて褒めてくれた。
「素敵なサングラスですね。よくお似合いです」
「いい形だろ? コレ気に入ってるんだ」
「手袋もいいレザーのようですね」
「うちのレザーは世界一だぜ!」
 アイテム単品を褒めることでコメントをぼかした日本に気付かず、ロマーノはいい気分のまま全身を見せようとその場でくるりと回る。ふわりとスカートの裾が広がったが、突如現れたスペインによって押さえられた。
「ちぎっ! って、またお前か!」
「ひらひらさせたらアカン言うとるやろー」
 真面目な顔をしつつ、スペインはスカートの裾を両手で下に引っ張る。その後ぎゅっと背後から抱きつき、くるりと回れないようにした。
「離れろよコノヤロー!」
「猟師はおばあさんのスカートも守るでっ!」
「赤ずきんを先に守れ、こんちくしょうめええええ!」
 助けを求めようと探すが、視線の先で見つけたのはデジカメでこちらを撮影し続けるベルギーとその背後から何ともいえない顔で見守るオランダ。
 まったく役に立たない兄妹に泣きたくなりつつ、仕方なくドイツに助けを求める。なんとか引き剥がしてくれた隙に逃げるものの、ロマーノの裾がひるがえる度、どこからともなくスペインが現れスカートを押さえるのだった。

「スペイン達の仮装は赤ずきんだった気がするんだけど、あれじゃあ……なぁ?」
「ふむ、まるで闘牛士と牛のようだな」
 ひらり揺れる布に反応する姿にフランスとモナコが笑い、傍を通りかかったアメリカがふむと見つめる。バットマンのマントを綺麗に翻すと、特別賞をこっそり増設した。
 アメリカ特別賞・コーラ1ケース。
 「闘牛士と牛」でスペインとロマーノが受賞し、壇上での再現で観客の大爆笑を買う事をまだ二人は知らない……。


END