王様と鴉と侍と錬金術師1
第一話 始まりは占いから
拝啓.赤いコートの金髪チビ二名様。
今回もオレはお前ら二人のおかげでとんでもねぇ厄介ごとに巻き込まれちまったよ…。
毎度毎度巻き来れててよ…なんなんだ? 俺ってもしかして呪われてんのか? 神様に…。なんにしても、どうしてだ?
どうして…どうして今日に限ってよぉ…。
「どうして朝の占い当たってんだァァァ!!!」
事の発端は1時間前。
何時ものように銀時はテレビの前で意中の人、結野アナの朝のお天気コーナーを見ていた。
「今日は全体的に晴れの一日でしょう…。次はブラック星座占いです☆ 今日一日運勢が悪いのは…おっと、てんびん座のアナタ。悪いサプライズがくるかも」
「マジかよ、俺てんびん座じゃん…まっ、所詮占いだし大丈夫「特に今このテレビを見ている天然パーマのてんびん座の方。サプライズが来すぎて人生で一番不幸な目に遭うでしょう。最悪死にまーす☆」…ハッ?」
呆然となる銀時。
当たり前だ。あんな死の宣告的なこと言われりゃ誰だってそうなる。
「ラッキーアイテムは赤いコートと病院。赤いコートに身を包み、血塗れの自分を隠したあとに、病院で死亡書を貰いましょう。この2つのラッキーアイテムがアナタの身を守ってくれるでしょう」
「おいィィ! どこがラッキーアイテムだァァ!? 既にラッキーアイテムから不安なんだけど! 何だよ赤いコートと病院って! しかも最後のあたりの死亡書って…確実に死ぬ前提じゃねぇか! ラッキーアイテムどころかアンラッキーアイテムだよ!」
「ではまた明日~☆」
「待ってぇぇ! 明日来んの? 俺に明日来んの!?」
チャンチャン☆
コントのオチっぼい音を残し終わったテレビ。銀時はこの世の終わりのような顔をしてベタな落ち込み方をしていたが、暫くすると立ち上がり玄関へと向かっていった。
(バッカじゃねぇか、いちいち落ち込んでられっかよ。占いなんて当たるワケでもねーし…元から俺占いなんて信じてねーし、当たった覚えもねーし…うん、パフェでも食べて気分変えよ)
と玄関から外に出てスクーターを出そうとしたとき。
「あっ、銀さん」
「どうしたの?」
「ん? …お前ら」
後ろから声をかけられ振り向くと、居たのは赤いコートを着た金髪三つ編みの少年ーエドワードーと同じく赤いコートと金髪のおかっぱと眼帯をつけた少年ーアンディーだった。
「どうしたお前ら? 何しにきたんだ?」
「「なんとなく」」
「(なんとなくかよ…まっ、でも一人で行くよかいいか)なぁ、今からファミレス行くんだけどお前らも来るか?」
「「行く!」」
というわけで、エドとアンディも加わり3人でスクーターでファミレスに直行した。
「あぁ~~そよ風が気持ちいいなぁ~」
「だね」
「お前にゃ似合わねぇがな」
「は? そりゃどういう意味だ?」
「そのままの意味たよ」
「あ゛ぁ゛? チビのくせして生意気なこと言いやがって!」
「んだと! テメェも天パーのくせに性格がネチネチ キモイんだよ!だからモテねぇんだよ!」
「だとゴルァァァ!! 天パーを侮辱すんじゃねぇぇ!!」
ギャーギャーと騒ぎ出す銀時とエド。呆れながらハァ…とため息をつくアンディ。
短気でバカな二人と違ってアンディはドライでマイペース、そして自己中なのだ。
が、前を見て思わず声を荒げて言った。
「ちょっ! 前! 前!!」
「はぁ゛?」
「いいから前見て! 人!ブレーキかけて!」
「え゛!?」
アンディに言われ急いでブレーキを掛ける銀時。だか遅かった。
ーグシャー
「…」
「…」
「…」
何かに直撃した感覚と生々しい音ととそのあとから聞こえるドサッという音。
恐る恐る3人が後ろを向くと…血塗れになって倒れている男がいた…急ブレーキの跡とともに。
「あーあ」
「やっ…やべぇ。どうすんだよオイ!」
「どうすんだ? …決まってんだろ! 俺らのやることは一つ! タイムマシンを探すとことだ!!」
「違うでしょ」
「なにやってんだアンタ!」
そう言いながら銀時は自動販売機の取り出し口に頭を突っ込んでいた。
「バカだろ! アンタバカだろ!」
「…ボクがアイツ診るからエドはあの人どうにかして」
そう言ってアンディは男の下に駆け寄り、肩を揺さぶる。
「ちょっと、大丈夫?」
「……う……」
少しうめき声が聞こえた。大丈夫らしいが怪我の具合から見て早く病院に連れてった法がいいだろう。
そうして男の片腕を自分の肩に掛ける。
よく見れば黒髪のつんつん頭で端麗な顔をしているが、幼さがあることから少年だろう。
近くに鞄やボールが落ちてる。この少年のものだろう。それも拾い再び銀時とエドを見る。
「なにやってんだよ! タイムマシンなんかねーよそんなとこに!」
「バカいってんじゃねー! タイムマシンは信じるものにのみ現れるんだ! 例え自動販売機の取り出し口だったとしても!」
「いい加減にしろ! アンタそれでも社会人か!!」
「大人なんてなぁ! 所詮は社会人の皮を被った駄目人間なんだよ! マダオなんだよ!」
まだバカバカしい口ゲンカをしているエドと銀時。
しかもまだ終わりそうにない。
「ねぇちょっとそんなことしてる場合じゃ」
「だいたいテメェはチビのくせに生意気なんだよ! 見下してんじゃねぇよ! もっとおれを敬え!」
「だと! テメェも天パのくせに大人ぶってんじゃねぇぞコラ!」
「ちょっとホントに…」
「やんのかゴラ!?」
「やってやんよオ゛ラ゛ァ!!」
「ねぇ…」
「「うらぁぁぁぁ!!!」」
「……いい加減にしろ!!!」
ブチ切れたアンディの回し蹴りを食らったエドと銀時。
そのまま自動販売機に激突して事態は一時終息したのだった。
=どこぞの病院=
「全くあの人は…だから万年天然パーマなんだよ」
「天パーカンケーなくない? でも確かにそうかも…いい歳してタイムマシン探すバカいないでしょ」
「オイてめぇら今なんつったコラ」
あの後3人…いや4人は病院に行った。
今は落ち着いて眠ってるようだか、さっきのアンディの回し蹴りでケガをしたエドと銀時も治療してもらっていた。
流石というべきか、あのアンディの攻撃を受けても頭のケガだけで済んだのだからホント恐ろしい。
「けどアイツ大丈夫だったかぁ?」
「医師によればなんかスポーツマンらしくて体鍛えてたおかげで全体の傷はそれほどでもないんだけど、頭の損傷が一番酷いって」
「あ~~なんかヤダなぁ、おい~~朝の占い思い出しちまうよ」
「占い?」
「あぁ…なんか今朝の占いでよ、俺なんか運勢悪くてよぉ…あ~あ…なんでこんな目に…ん、待てよ。確かラッキーアイテムは…」
「あの~~ちょっといいですかぁ」
銀時が何かを思い足してる最中、少年の担当の医師から声がかかった。
「なんすか?」
「君たちさっきあの子ここに運んだ人たちだよね? ちょっといいかな?」
「「「???」」」
拝啓.赤いコートの金髪チビ二名様。
今回もオレはお前ら二人のおかげでとんでもねぇ厄介ごとに巻き込まれちまったよ…。
毎度毎度巻き来れててよ…なんなんだ? 俺ってもしかして呪われてんのか? 神様に…。なんにしても、どうしてだ?
どうして…どうして今日に限ってよぉ…。
「どうして朝の占い当たってんだァァァ!!!」
事の発端は1時間前。
何時ものように銀時はテレビの前で意中の人、結野アナの朝のお天気コーナーを見ていた。
「今日は全体的に晴れの一日でしょう…。次はブラック星座占いです☆ 今日一日運勢が悪いのは…おっと、てんびん座のアナタ。悪いサプライズがくるかも」
「マジかよ、俺てんびん座じゃん…まっ、所詮占いだし大丈夫「特に今このテレビを見ている天然パーマのてんびん座の方。サプライズが来すぎて人生で一番不幸な目に遭うでしょう。最悪死にまーす☆」…ハッ?」
呆然となる銀時。
当たり前だ。あんな死の宣告的なこと言われりゃ誰だってそうなる。
「ラッキーアイテムは赤いコートと病院。赤いコートに身を包み、血塗れの自分を隠したあとに、病院で死亡書を貰いましょう。この2つのラッキーアイテムがアナタの身を守ってくれるでしょう」
「おいィィ! どこがラッキーアイテムだァァ!? 既にラッキーアイテムから不安なんだけど! 何だよ赤いコートと病院って! しかも最後のあたりの死亡書って…確実に死ぬ前提じゃねぇか! ラッキーアイテムどころかアンラッキーアイテムだよ!」
「ではまた明日~☆」
「待ってぇぇ! 明日来んの? 俺に明日来んの!?」
チャンチャン☆
コントのオチっぼい音を残し終わったテレビ。銀時はこの世の終わりのような顔をしてベタな落ち込み方をしていたが、暫くすると立ち上がり玄関へと向かっていった。
(バッカじゃねぇか、いちいち落ち込んでられっかよ。占いなんて当たるワケでもねーし…元から俺占いなんて信じてねーし、当たった覚えもねーし…うん、パフェでも食べて気分変えよ)
と玄関から外に出てスクーターを出そうとしたとき。
「あっ、銀さん」
「どうしたの?」
「ん? …お前ら」
後ろから声をかけられ振り向くと、居たのは赤いコートを着た金髪三つ編みの少年ーエドワードーと同じく赤いコートと金髪のおかっぱと眼帯をつけた少年ーアンディーだった。
「どうしたお前ら? 何しにきたんだ?」
「「なんとなく」」
「(なんとなくかよ…まっ、でも一人で行くよかいいか)なぁ、今からファミレス行くんだけどお前らも来るか?」
「「行く!」」
というわけで、エドとアンディも加わり3人でスクーターでファミレスに直行した。
「あぁ~~そよ風が気持ちいいなぁ~」
「だね」
「お前にゃ似合わねぇがな」
「は? そりゃどういう意味だ?」
「そのままの意味たよ」
「あ゛ぁ゛? チビのくせして生意気なこと言いやがって!」
「んだと! テメェも天パーのくせに性格がネチネチ キモイんだよ!だからモテねぇんだよ!」
「だとゴルァァァ!! 天パーを侮辱すんじゃねぇぇ!!」
ギャーギャーと騒ぎ出す銀時とエド。呆れながらハァ…とため息をつくアンディ。
短気でバカな二人と違ってアンディはドライでマイペース、そして自己中なのだ。
が、前を見て思わず声を荒げて言った。
「ちょっ! 前! 前!!」
「はぁ゛?」
「いいから前見て! 人!ブレーキかけて!」
「え゛!?」
アンディに言われ急いでブレーキを掛ける銀時。だか遅かった。
ーグシャー
「…」
「…」
「…」
何かに直撃した感覚と生々しい音ととそのあとから聞こえるドサッという音。
恐る恐る3人が後ろを向くと…血塗れになって倒れている男がいた…急ブレーキの跡とともに。
「あーあ」
「やっ…やべぇ。どうすんだよオイ!」
「どうすんだ? …決まってんだろ! 俺らのやることは一つ! タイムマシンを探すとことだ!!」
「違うでしょ」
「なにやってんだアンタ!」
そう言いながら銀時は自動販売機の取り出し口に頭を突っ込んでいた。
「バカだろ! アンタバカだろ!」
「…ボクがアイツ診るからエドはあの人どうにかして」
そう言ってアンディは男の下に駆け寄り、肩を揺さぶる。
「ちょっと、大丈夫?」
「……う……」
少しうめき声が聞こえた。大丈夫らしいが怪我の具合から見て早く病院に連れてった法がいいだろう。
そうして男の片腕を自分の肩に掛ける。
よく見れば黒髪のつんつん頭で端麗な顔をしているが、幼さがあることから少年だろう。
近くに鞄やボールが落ちてる。この少年のものだろう。それも拾い再び銀時とエドを見る。
「なにやってんだよ! タイムマシンなんかねーよそんなとこに!」
「バカいってんじゃねー! タイムマシンは信じるものにのみ現れるんだ! 例え自動販売機の取り出し口だったとしても!」
「いい加減にしろ! アンタそれでも社会人か!!」
「大人なんてなぁ! 所詮は社会人の皮を被った駄目人間なんだよ! マダオなんだよ!」
まだバカバカしい口ゲンカをしているエドと銀時。
しかもまだ終わりそうにない。
「ねぇちょっとそんなことしてる場合じゃ」
「だいたいテメェはチビのくせに生意気なんだよ! 見下してんじゃねぇよ! もっとおれを敬え!」
「だと! テメェも天パのくせに大人ぶってんじゃねぇぞコラ!」
「ちょっとホントに…」
「やんのかゴラ!?」
「やってやんよオ゛ラ゛ァ!!」
「ねぇ…」
「「うらぁぁぁぁ!!!」」
「……いい加減にしろ!!!」
ブチ切れたアンディの回し蹴りを食らったエドと銀時。
そのまま自動販売機に激突して事態は一時終息したのだった。
=どこぞの病院=
「全くあの人は…だから万年天然パーマなんだよ」
「天パーカンケーなくない? でも確かにそうかも…いい歳してタイムマシン探すバカいないでしょ」
「オイてめぇら今なんつったコラ」
あの後3人…いや4人は病院に行った。
今は落ち着いて眠ってるようだか、さっきのアンディの回し蹴りでケガをしたエドと銀時も治療してもらっていた。
流石というべきか、あのアンディの攻撃を受けても頭のケガだけで済んだのだからホント恐ろしい。
「けどアイツ大丈夫だったかぁ?」
「医師によればなんかスポーツマンらしくて体鍛えてたおかげで全体の傷はそれほどでもないんだけど、頭の損傷が一番酷いって」
「あ~~なんかヤダなぁ、おい~~朝の占い思い出しちまうよ」
「占い?」
「あぁ…なんか今朝の占いでよ、俺なんか運勢悪くてよぉ…あ~あ…なんでこんな目に…ん、待てよ。確かラッキーアイテムは…」
「あの~~ちょっといいですかぁ」
銀時が何かを思い足してる最中、少年の担当の医師から声がかかった。
「なんすか?」
「君たちさっきあの子ここに運んだ人たちだよね? ちょっといいかな?」
「「「???」」」
作品名:王様と鴉と侍と錬金術師1 作家名:まつり