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ギルベルトなら俺の隣で寝てるぜ。

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思い出したのかフランスが相槌を打った。ドイツは解らずに眉間に皺を寄せる。その頃はまだプロイセンの庇護下にあり、国の情勢などろくに解りもしなかったのだ。
「俺、結構、本気で結婚申し込みに行ったんやで。二度も結婚失敗しとるけど、今度こそはって思うてなぁ」
懐かしむような顔をしてスペインが言う。
「二度も結婚してたのか?」
突っ込みどころはそこではないだろうと思ったが、ドイツは気になって思わず口を挟む。
「一度目はオーストリアと。二度目はこいつとやな」
ぐいっと親指で指されたフランスは顎を引いた。
「オーストリアよりは良かったでしょ!俺」
「イヤ。あんま、良うなかったから別れたんやろ。なんつーか、オーストリアとは身体の相性は割かし良かったんやけど、性格の不一致って言うんか?…お前とはなんちゅーか、考え方の相違?」
「身体の方は相性バッチリだったでしょ!!」
「あー、あれな。あんまりお前が言うほどようなかったで。感じてるフリしとっただけや。俺、実は不感症やねん」
「うわー、お前、最悪!!今になって、そんなこと言わないでよ!俺のテクがなかったみたいじゃない!!」
「あはは。俺、演技派やねん。よがるのうまかったやろ?…でもまあ、元々なんちゅうか、オーストリアやお前みたいな貴族気質とは元々俺は合わんかったんや。だから、上手くいかんかったんやな。着飾って、見栄張って何ぼでも、先立つもんがないとどうにもならへん。んなもんで、飯もよう食えへんしな。プーちゃんは俺様やけどオーストリアやお前と違って流離ってる時期も長かったし、国になるまで相当苦労しとるから、堅実的で質素を重んじとるやろ。だから、プーちゃんとなら上手くやっていけるんやないかと、俺、思うたんやけどなぁ。でも、邪魔は入るし…」
色々と思い出してきたのか、スペインはじとりとフランスを睨む。睨まれたフランスはキッとスペインを睨み、口を開いた。
「邪魔するに決まってるでしょ!!どうせなら、俺も混ぜてよ!!」
「えー。イヤや。俺は好きなもんは独り占めしたいんや」
「独り占め反対!!愛は平等に!!お兄さんも愛してよ!!」
二人のやり取りにドイツは頭が痛くなってきた。そして、心底思う。そうならなくて良かった。
「…上司のことはさて置き、一体、スペインは何だって兄貴と結婚しようと思ったんだ?…あの人ほど、結婚に向かないひとはいないとは思うが」
「ん?そんなん、プーちゃんのことが単純に好きやからや。それにプーちゃん、結婚に向かへんことはないやろ。あれで結構、真面目なとこありよるし、一途やし、そこの髭よりは甲斐性あるし、面倒見もええ。お前の可愛がり方見てたら、いい伴侶になれる思うたんやけどなぁ。俺も子ども好きやし。でも、子育てに忙しくってお前構ってる暇なんかあらへんって言われて、フラれてもうたわ」
スペインの言うことは的を得ている。意外にもプロイセンはこれでもかと言うほど世話焼きだった。そして、礼儀作法にも今では信じられないほど煩かったし、誉めるのも叱るのも滅法上手かった。統一に向けて忙しい合間を縫ってはよく自分を構ってくれた…と思う。…一途に、最後には自分を国にまでしてくれたのだから、これを甲斐性なしとは言えまい。確かにプロイセンは良き母であり、良き父だった。
「酷いわ、スペイン、俺のこと甲斐性無しとかそんな風に思ってワケ?」
「甲斐性なしやん」
「お、お兄さん、泣いちゃう!」
さめざめと泣き始めたフランスを横目で見やり、スペインはにこりとドイツに笑いかける。
「プーちゃんも子育ても済んだみたいやし、俺、もう一度アタックしてみよかな思っとるんやけど。今はプーちゃん、国やないから一緒に暮らせるしな。前は前で、お前のことがなければ結構、満更でもなかったようやし?」
「な?!」
「あ、なら、お兄さんもプロイセンに結婚、申し込むよ!!」
フランスが手を上げる。それをスペインが睨む。
「お前はあかんやろ」
「何で!?」
「プーちゃん、自分の大事なところお前に占拠されたの、結構、根にもっとるで」
「何それ!!俺なんか、俺なんか、何度、俺の大事なとこ占拠されたのよ!?」
ぎゃーぎゃー言い合いを始めた二人にドイツはダンッとテーブルを叩く。がちゃんと音を立てたカップに二人はぴたりと口を閉じ、ドイツを見やった。

「兄さんは俺のものだ。結婚は絶対に許可しない!!」

青筋立て、立ち上がったドイツに二人は顔を合わせる。

「なら、早う、プロポーズせなあかんで」
「そうそう。じゃないとお兄さん達でプロイセン、頂いちゃうからね」

ばちこーん☆…同時にウインクを送ってきた二人は席を立つ。

「あら、もうこんな時間。そろそろ、ホテル戻らないとねぇ」
「せやなぁ」

「…え、あ、おい!」

「勘定、よろしゅうな!!」
「ごちそうさま!」

狼狽するドイツにニヤニヤニヨニヨ笑みを浮かべた二人は逃げていく。それを呆然と見送り、ドイツは眉間に皺を寄せると、腰を落とした。

(揶揄われた!)

その上に勘定まで押し付けられた。ドイツは深い溜息を吐く。

…ああ、本当にしてやろうじゃないか。プロポーズ。

半ばやけくそ気味に決意を固めると、ドイツはユーロを置いて席を立つ。

(今日中に終わらせるぞ!そして、スイスに乗り込む!!)

こうして会議はドイツの怒涛の勢いにより全ての議案が可決したという。…そして、帰途に着いたドイツは赤い薔薇を抱え、スイスに突撃し、大層、プロイセンを混乱に陥れたのであった。







オワレ!!