贈り物
【贈り物】
「兄さん、来週は休暇を取ってくださいな。それと、コレ。遅くなってしまったけど、誕生日プレゼントよ。アムロと二人でいってらっしゃい」
突然、アルティシアからそう告げられ、封筒を貰ったシャア。
開けてみれば、中身は航空チケットと宿泊券。
「二人の誕生日に仕事をさせてしまった償いよ。楽しんできてね」
ニッコリと笑う妹の頬に「ありがとう」と、親愛のキスを送る。
事の発端は、アルティシアことセイラ・マスが経営している会社のシステムに不具合が生じ、その復旧のために、急遽アムロもエンジニアとして対応に駆り出されたのだ。
通常業務に支障をきたす様な事ではなかったのだか、「これは根本から見直した方がいい」とアムロが言って、そのままシステム再構築に取り掛かった。
それから、たったの二週間で全てのプログラムを再編してしまった。本来なら数か月はかかる作業だが、そのほとんどをアムロ一人がこなしたのだ。
アムロ曰く「久しぶりだったから、楽しかったよ」といたくご満悦の様子ではあったが、気付けば二人の誕生日は過ぎてしまっていた。
もちろん、誕生日当日には開発チームの皆やセイラと共に、ケーキでお祝いはしてあった。
「ところで、私達が同時に休暇を取っても平気かね?」
貰った券を見て、行き先を確認していたシャアがセイラに聞いてみた。
「優秀なスタッフ達が居るから大丈夫よ。その代わりと言ってはなんだけど、彼等にお土産をよろしくね」
「そんな事、お安いご用さ」
セイラにウィンク付きでお願いされなくても、元よりそのつもりだったと、嬉しそうな笑顔と共に答えたシャアだった。
そして、週明けの月曜日。
飛行機・列車・タクシーと乗り継いで、午後一番には目的地に到着した。
* * *
「兄さん、来週は休暇を取ってくださいな。それと、コレ。遅くなってしまったけど、誕生日プレゼントよ。アムロと二人でいってらっしゃい」
突然、アルティシアからそう告げられ、封筒を貰ったシャア。
開けてみれば、中身は航空チケットと宿泊券。
「二人の誕生日に仕事をさせてしまった償いよ。楽しんできてね」
ニッコリと笑う妹の頬に「ありがとう」と、親愛のキスを送る。
事の発端は、アルティシアことセイラ・マスが経営している会社のシステムに不具合が生じ、その復旧のために、急遽アムロもエンジニアとして対応に駆り出されたのだ。
通常業務に支障をきたす様な事ではなかったのだか、「これは根本から見直した方がいい」とアムロが言って、そのままシステム再構築に取り掛かった。
それから、たったの二週間で全てのプログラムを再編してしまった。本来なら数か月はかかる作業だが、そのほとんどをアムロ一人がこなしたのだ。
アムロ曰く「久しぶりだったから、楽しかったよ」といたくご満悦の様子ではあったが、気付けば二人の誕生日は過ぎてしまっていた。
もちろん、誕生日当日には開発チームの皆やセイラと共に、ケーキでお祝いはしてあった。
「ところで、私達が同時に休暇を取っても平気かね?」
貰った券を見て、行き先を確認していたシャアがセイラに聞いてみた。
「優秀なスタッフ達が居るから大丈夫よ。その代わりと言ってはなんだけど、彼等にお土産をよろしくね」
「そんな事、お安いご用さ」
セイラにウィンク付きでお願いされなくても、元よりそのつもりだったと、嬉しそうな笑顔と共に答えたシャアだった。
そして、週明けの月曜日。
飛行機・列車・タクシーと乗り継いで、午後一番には目的地に到着した。
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