【かいねこ】ダーリン 君と手をつなごう
それからレザンの影を見ることもなく、穏やかに晴れたある週末。
「今日は天気がいいな。少し庭に出てみないか?」
「はい」
カイトの誘いに、いろはは笑顔で応える。
「二人も一緒に来ないか?あまり閉じこもってばかりでは、体に触る」
カイトがシトロンとメイコにも声を掛けると、シトロンは読みかけの新聞を脇に置いて、
「そうだな。それじゃ」
「行くわけないでしょ!何言ってるのよ!!」
「え?駄目なの?」
シトロンが聞き返した瞬間、メイコからクッションが飛んできた。
「メイコ、仮にもマスターなんだから」
「うっさいわね!!さっさと行きなさいよ!!」
「何も怒ることはないだろう」
カイトはぶつぶつ言いながら、いろはを促し庭に出る。
「メイコは、時々怒りっぽくなるな」
「カイトさんとマスターのせいじゃないでしょうか」
いろはが悪戯っぽく言うと、
「そうなのか。全く心当たりはないが」
その言葉に、いろはは笑いながらカイトと手を繋いだ。
終わり
作品名:【かいねこ】ダーリン 君と手をつなごう 作家名:シャオ